Record China 2022年6月27日(月) 21時0分
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中国メディアの三聯生活週刊は24日、「日本で高齢者介護を学んで思うこと」とする記事を掲載した。
記事は、「超高齢化社会に突入した日本では介護職員が極めて不足している。日本は近年、介護業界に外国人の介護士を引き入れ始めており、多くの中国人留学生も参入している。彼らの目には、これは一つの高度な専門化、精密化されたサービス業で、しかもできる限り老人の個人としての独立と尊厳を守るものに映っている。これはもしかすると、未来の中国に経験を提供することになるかもしれない」として、25歳で来日し、語学学校と介護専門学校を経て、現在は介護福祉士として日本の施設で働く中国人の小花さんの経験談を伝えた。
■日本では老人ホームに入所することが当たり前
日本では、2000年から介護保険制度が導入された。国民は40歳から介護保険料の支払い義務が発生し、保険は訪問介護や老人ホーム、デイサービスなどの介護サービス利用に適用される。小花さんは「(中国)国内の高齢者はあまり行きたがらないかもしれませんが、日本国民は年老いたら老人ホームに入るのが普通で、みんな同じように思うでしょう」と述べた。
その上で、「実際に働いてみると、日本の介護施設は中国にとって参考になるところがたくさんあります」とし、一つ目に「介護施設の種類が多く、サービスの種類もより充実していること」とした。例として、「自立して生活できる高齢者はデイサービスを選択することができます。朝はバスが迎えに来て、昼間は(他の利用者と)一緒にゲームや食事をし、夜は家まで送り届けられ、1週間に何回か施設に来て入浴することができるのです。医師や看護師のように介護士が日中に訪問するサービスもあります。自立した生活ができない高齢者は、介護士、機能訓練士、栄養士、医療の連動度が高い入居型の介護施設に行けます」と述べた。
また、小花さんは自身が働く施設について紹介し、「高齢者10人のグループを作って、1グループにつきリーダーが1人、介護士が2人、看護師が1人という管理モデルになっています。普段、私たちはパソコンとiPadを使って記録をします。毎日の三食、排せつ、体温、血圧を毎日何度も記録し、同時に介護士と看護師に共有するので、みんながいつでも追跡するのに便利なんです」とした。
さらに、「日本の介護施設には介護用具もたくさんあります」とし、ベッドから車椅子に移動させるのに使うスライディングボードを紹介した。
■日本の介護の理念
小花さんは「国内ではこの仕事はよく誤解されています」とし、自身のSNSに「なぜ遠い日本まで行って、高齢者の排せつの世話をするのか?」などといった悪意のあるコメントが時々届くと語った。また、「お年寄りの面倒は誰でも見ることができると無意識に思っている人も多いでしょう。しかし、専門的介護と非専門的介護の違い、特に介護理念に対する理解の違いは大きく、理念は技術よりも重要です」と述べた。
そして、「日本で介護をする上で重要な理念の一つに『高齢者の自立支援』があります」と紹介し、「介護者、さらには高齢者の子どもたちも、高齢者の意思決定を手伝うのではなく、高齢者の意思を尊重し、身体機能や認知障害があっても自立して多くのやりたいことをできるように支援しなければなりません」とした。
しかし、「老人は新人をいじめることもあります」と述べ、「ある時、私の日本語になまりがあることで私が外国人であることを知った利用者が、私を朝鮮人だと思って『朝鮮人は日本から出て行け』とストレートに言ってきたことがありました」と認知症の利用者を担当する自身の経験を語った。一方で、「お年寄りの中には、接すると予想以上に感触が良く、癒やされる人もいます」とし、そのような利用者との触れ合いについて、「私のように日本に一人でいる外国人にとって、とても温かいものでした」と述べた。
■中国でも役立てたい
最後に小花さんは、「私の今の望みは、日本で経験を積んでから帰国して勉強したことを役立てることです。私は(中国)国内には老人ホームに対する偏見があることを知っています。一つには観念的な問題で、多くの人は親を老人ホームに入れると子どもが親孝行できないと感じます。また、国内の介護士は確かにまだ初歩的な段階であり、細かいところまで行き届いておらず、高齢者の家族に安心感を与えることができていないことです」とした。(翻訳・編集/刀禰)
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