anomado 2022年7月3日(日) 14時0分
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光明日報は6月30日、時代劇ドラマ「夢華録」の人気について分析する論評記事を掲載した。
中国メディア・光明日報は6月30日、時代劇ドラマ「夢華録」の人気について分析する論評記事を掲載した。執筆者は広州大学人文学部の呂珍珍(リュー・ジェンジェン)准教授。
記事は、「最近、ドラマ『夢華録』が大ヒットし、再生数と話題性を併せ持つ影響力の強いアイドル時代劇となった。『夢華録』の急速なヒットは意外なようで必然性がある。それは視聴者の審美と認知に対する尊重だ」と分析した。
記事は、「近年、多くのアイドル時代劇は『人気俳優×人気の原作』という生産モデルに従い、一見手っ取り早く妥当な方法で注目を集められるパターンをとっている」とし、「アイドル時代劇は扮装に対する要求が高いタイプのドラマで、人気を基準にしたキャスティングをしている。そのため、一部の主演俳優は、演技はおろか、視聴者を満足させる容姿条件さえも備えていない。流れ作業式の生産モデルの下で、一部のアイドル時代劇は品質の追求から離れ、話題作りと動画サイト会員の新規獲得を目標としている。芸術的に質の悪いものがむやみに創り出され、フィルターの運用のゆがみ、単一なキャラクターの造形、パターン化したドラマの筋書きなどの問題が普遍的に存在し、視聴者の飽きと不満を増幅させている」と指摘した。
その上で、「このような『醜いアイドル』が主流になった背景には、視聴者がアイドル時代劇に求めるものとして、まず自分の美的感覚に対する尊重がある。主演俳優の顔面偏差値の高さと画面の楽しさが、視聴者がドラマを追うための重要なモチベーションになっていることは否定できない」とし、これを「東宮(邦題:東宮~永遠の記憶に眠る愛)」や「錦衣之下(邦題:花様衛士~ロイヤル・ミッション~)」などが人気を集める原因だと分析した。そして、「『夢華録』はさらに上を行く。登場人物のキリッとした髪形やシックなメークはキャラクターとの相性が良く、清楚で洗練されている。秀麗な江南の風情も、にぎやかな北宋の首都の市井も、自然でダイナミックな美しさを失っていない」と評した。
また、「視聴者の美的感覚に対する尊重は芸術の形式と内容の表現上の革新を意味する」とし、「同質化による美的感覚の疲労は、アイドル時代劇が批判される大きな原因となっており、一部の評判の良いドラマでもそれは避けがたい」として、「宸汐縁(邦題:運命の桃花~宸汐縁~)」の衣装、舞台の背景、人物の設定、ストーリーの展開が「三生三世十里桃花(邦題:永遠の桃花~三生三世~)」と似ているとされたことを挙げた。その上で、「『夢華録』が視聴者に認められたのは、新たな道を切り開き、多くのファンタジードラマや清代の宮廷劇から飛び出して、物語の背景を北宋に設定し、豊富な歴史知識と深い文化的内包で視聴者に驚きの収穫をもたらしたからだ」とした。
さらに、「視聴者の認知に対する尊重は、主にしっかりとしたストーリー、豊かな人物、視聴者の期待に合致する価値観に表れている」とし、「夢華録」のストーリーについて、「元曲の『趙盼児風月救風塵』のストーリーのほかに、主人公の男女が次々と偶然の出会いや助け合いの中で真の愛情が生まれていく過程を描いている。同時に3人の身分の低い女性がそれぞれに経験した結婚や恋の挫折の後で、手を携えて小さな茶屋を一歩一歩大きな料理屋にしていくストーリーになっている。このような設定は、視聴者のアイドル時代劇への期待に合致するだけでなく、現代女性の生活と感情体験にも合致している」と評した。
記事は最後に、「良い評判にも悪い評価にも、その裏には良い作品への期待がある。『梦華録』の爆発的ヒットは、視聴者を、法則を、常識を尊重することこそが本当の『注目を集められるパターン』であり、アイドル時代劇を含む国産ドラマが新たに拾うべき初心であるという素朴な道理を改めて証明したにすぎない」とし、「誠意ある質の高いドラマがもっと増えて、国産ドラマ全体のレベルが上がることを期待したい」と締めた。(翻訳・編集/刀禰)
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