日韓の経済関係がリセット、隣国とうまくやることを心がけよ―中国専門家

Record China    2022年7月7日(木) 17時0分

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中国紙・環球網は6日、「日韓の経済関係リセット、隣国とうまくやることを心がけよ」とする論評記事を掲載した。著者は上海外国語大学日本研究センター主任の廉徳瑰教授。

中国紙・環球網は6日、「日韓の経済関係リセット、隣国とうまくやることを心がけよ」とする論評記事を掲載した。著者は上海外国語大学日本研究センター主任の廉徳瑰(リエン・ダーグイ)教授。

日本経団連(経団連)と韓国の全国経済人連合会(全経連)が4日、ソウルで首脳懇談会を開いた。日韓の主要経済団体による会談は約3年ぶりで、会談後に発表した共同声明では、ビザなしでの交流の再開を求め、この機会に両国の経済レベルでの交流を強化していくことを表明した。また、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と面会した経団連の十倉雅和会長は「人と人との直接の交流こそが日韓関係の礎」とした。これに対して、尹氏は「両国政府は未解決の問題を解決するために共に努力すべきだ。非常に前向きに対応する」と述べた。

廉氏は、「両国は経済貿易分野で再協力の可能性を示した」とした上で、「日韓が経済貿易分野で関係改善の兆しを見せるのは、実は突然のことではない。3年以上の対抗を経て、両国の経済・貿易界はすでに疲労を感じている。特に韓国にとっては、すでに日本の技術制裁の味を知っている」と指摘。「2018年、韓国の徴用工問題の判決は日本を怒らせ、安倍内閣は韓国の半導体生産に欠かせない高純度フッ化水素、フッ化ポリイミド、レジストの輸出規制を決定して韓国を驚かせ、日本のハイテク分野での優位性を外部に知らしめた。技術的には日本が韓国に依存しているのではなく、韓国が日本に依存していることが明らかになった」とした。そして、「今回の両団体の会談内容は、半導体技術の輸出規制の解除と関連したものである。そのほか、韓国は環太平洋経済パートナーシップ協定(TPP)への参加で日本の支持を得たい考えで、両国は『インド太平洋経済枠組み』への協力の可能性についても調整した」と述べた。

また、「今回の両国の経済団体の会談は、日韓関係が経済分野からスタートし、協力を通じて二国間関係を挽回することを示唆する重要な政治的意義を持つことに留意すべきである。日韓関係改善の裏には米国の仲介が欠かせず、バイデン政権の『インド太平洋戦略』への思惑が隠されている」とし、「米国の『インド太平洋戦略』には“4辺メカニズム”が含まれており、東南アジア諸国連合(ASEAN)の取り込み、台湾情勢、朝鮮半島に関わるほか、ユーラシアの安全保障協力などの内容も含まれている。このうち朝鮮半島では、日韓関係の緩和が必須条件となっている」と指摘した。

そして、「今年5月中旬にバイデン米大統領が訪韓した際には、日韓両国に関係改善を求め、中国の台頭に共同で対応することを提案し、訪日中にはインド太平洋経済枠組み(IPEF)を宣言した。これには日韓両国が積極的に参加し、サプライチェーンを再建し、中国依存から脱却する必要がある」「続いて6月、米国は日韓首脳をNATO首脳会議に招待した。これは『インド太平洋戦略』調整の重要なステップであると同時に、バイデン氏が日韓関係改善のためにセッティングした機会でもあった。尹氏と岸田文雄氏は6月28日、スペインでの歓迎会で5分程度しかあいさつを交わしていないが、両国が関係改善に向けた第一歩を踏み出したことになる」と解説。さらに、「日米韓3カ国の首脳は29日、スペインで北朝鮮問題への共同対応について会談し、日韓関係が米国の『インド太平洋戦略』の軌道に乗ったことが鮮明になった。3年ぶりに再開された日米韓首脳会談は、表向きは北朝鮮の核問題を取り上げたが、実際には北朝鮮ではなく中国に対して主な意図があった。米国の目標は日韓防衛体制の強化であり、半島にミサイル防衛システムを配備することである」と分析した。

廉氏は、「このように、ここしばらくの間を見ると、日韓関係の改善がNATO首脳会議を契機に、日米韓3カ国首脳会談をプラットフォームにして、双方の経済界の巨頭(経団連と全経連)の会談によって再開されたことは、極めて象徴的である」とし、「一方で、日韓両国関係は米国の支配下にあり、『インド太平洋枠組み』の中に組み込まれている、さらに両国とも目下、経済的苦境に陥っており、韓国経済は特に技術分野で日本に依存している」と指摘。また、「ウクライナ戦争がもたらした世界的なサプライチェーンの乱れも、日本経済をさらに悪化させている。円安、エネルギー危機、インフレ……多くのデータが示すように、日本経済への圧力は新たな臨界点に達しつつある」と分析した。

その上で、「日韓両国の指導者がNATOの歓待を受け、戻った後に待っていたのは厳しい経済状况である。西側諸国の中国封じ込めに加担しようとしながら、中国での利益を得ようとすることは、中国から尊重されないだろう」と指摘。また、「日中韓はいずれも東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の重要なメンバーであり、東アジアの経済発展に重要な責任を担ってきた。今年は中韓国交正常化30周年、そして日中国交正常化50周年の年である。日米韓か日中韓か、それこそが日韓両国にとって問題なのだ」と述べた。(翻訳・編集/刀禰)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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