Record China 2022年7月17日(日) 8時0分
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14日、中国青年報は、新エネルギー自動車の輸出を拡大している中国の自動車メーカーが新たな試練に直面しようとしているとする文章を掲載した。写真はBYDの展示コーナー。
2022年7月14日、中国青年報は、新エネルギー自動車の輸出を拡大している中国の自動車メーカーが新たな試練に直面しようとしているとする文章を掲載した。以下はその概要。
中国自動車工業協会が11日に発表したデータで、今年1〜6月の中国における自動車生産台数が1211万7000台、販売台数が1205万7000台に達したことが明らかになり、低調だった中国の自動車産業チェーンは底打ちを実現した。今年6月の自動車輸出は前年同期比57.4%増の24万9000台で過去最高を記録し、1〜6月の累計輸出台数も同47.1%増の121万8000台となった。
同協会の陳士華(チェン・シーホア)副事務局長は「ウクライナ問題で一部輸出市場が影響を受けているが、自動車輸出の最大の目玉となっている新エネ車で一部企業が欧州などの先進諸国・地域の市場進出に成功した」と語り、同協会として中国の自動車輸出は前途洋々であると認識していることを明らかにした。
浙江大学国際連合商学院デジタル経済・金融イノベーションセンターの盤和林(パン・ホーリン)連席主任は「新型コロナが世界を席巻する中、中国の製造業、サプライチェーンは率先して生産を再開した上、安定した生産を確保したことで自動車輸出を増やす土台ができた。技術革新とスケールメリットの強みがさらに高まることで、世界市場におけるわが国の自動車製品の競争力はまだまだ大きく伸びる可能性を持っている」と語った。
中国の新エネ車輸出が大きく拡大した背景には、米国の電気自動車大手・テスラの存在がある。盤氏は「テスラの手法が中国ブランドにとって啓発になっている。海外市場進出にあたり、中国ブランドは自らのブランドイメージを守る『お堀』を作る必要があるということだ。一部の中国ブランドは今なお価格で市場を奪うことに執着しブランドづくりを重視していない。技術的な蓄積も不足しており、これでは国際競争では不利になってしまう」と指摘する。
中国の自動車メーカーにはもう一つ、重視せざるを得ない問題がある。それは、欧州で導入に向けた準備が進められている「国境炭素税」だ。これは二酸化炭素排出量が多い製品に対し制裁的関税を課すというもので、EUは27年に全面的な導入を予定している。自動車製造業に欠かせない鉄鋼、アルミニウムといった原材料の生産で二酸化炭素の発生を抑制する必要が出てくれば、そのコストが原材料価格に転嫁されることになり、最終的には自動車の生産コスト上昇につながる。今後EUが自動車産業を国境炭素税の対象産業に加えれば、中国の自動車メーカーも大きな影響を受けることになるのだ。
公衆環境研究センターの馬軍(マー・ジュン)主任は「中国の輸出企業は国境炭素税に真剣に対処しなければならない。自動車は産業チェーンが長く、関係する風上産業が多いことを考え、できるだけ早く実行可能な炭素削減プランを見いだす必要がある」とした。
中国は昨年201万5000台の自動車を輸出し、日本の382万台、ドイツの230万台に次ぐ世界第3の自動車輸出国になった。「世界の工場」である中国は世界のサプライチェーンから孤立することはありえないと同時に、各国による自動車産業の分業体制の中で中国は欠かせない存在となっている。中国は今年、新エネ車を昨年より56%以上多い550万台販売する目標だ。この目標を実現するために、中国企業は自らの長所を守ると同時に他人の成功経験に学び、なおかつ国境炭素税などの新たな課題にも備える必要があるのだ。(翻訳・編集/川尻)
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