Record China 2022年7月21日(木) 8時0分
拡大
19日、21世紀経済報道は、世界の半導体投資に生じている変化について報じた。
2022年7月19日、中国メディアの21世紀経済報道は、世界の半導体投資に生じている変化について報じた。
記事は、世界の半導体産業では昨年生産拡大ブームが起きたもののここに来て「冷却段階」に入り、一部の生産拡大、新工場建設計画が延期されるようになったと紹介。特に今月中旬には台湾半導体大手TSMCと韓国のSKハイニックスがそれぞれ資本的支出を削減するとの情報が流れ、業界の「風見鶏」とみなされている両者がそろって資本的支出を削減したことが「川下の携帯電話、PC、メモリー産業の需要縮小を反映しているのかもしれない」とした。
そして、市場コンサルティング期間Gartnerの盛陵海(ション・リンハイ)氏が「昨年、大型コンシューマー電子製品メーカーは半導体不足によって半導体の在庫確保に走ったが、今年はインフレや地政学的問題などの影響で、消費者の需要が想定を超えて縮小してしまった」と解説したことを紹介し、TSMCなどの半導体メーカーは市場のクールダウンを敏感に察知したことで資本的支出削減に踏み切ったとの見解を示している。
一方で、TSMCは資本的支出を減らしながらも今年4〜6月期の売上高が前年同期比43.5%増、純利益が76.4%増と過去最高の業績をたたき出したと指摘。今後の業績についても同社の魏哲家(シーシー・ウェイ)CEOが向こう数年間は15〜20%の高成長を維持すると発言していることを紹介した。
その上で「実際、『売り手市場』の中でTSMCは米国、日本、南京などに工場を建設するなどの投資を続けてきた」と指摘。市場では、一部のコンシューマー電子製品の需要が縮小する中で、新たなニーズをつかみ、先進技術を獲得することが半導体業界の急務となっているとの見方が出ており、生産能力を先進技術や大型シリコンウエハーにシフトする必要があるのだと伝えた。
記事はさらに、盛氏が「5G携帯電話の成長が市場の予測よりも鈍く、特に高インフレ国で顕著になっている点に留意が必要だ」とした上で、現在高性能コンピューティング(HPC)、新エネ自動車、自動運転技術などが半導体メーカーにとって重要な競争分野になっており、世界のシリコンウエハー製造は8インチから12インチへと大型化するとともに、先進的な製造プロセスが求められていると解説したことを紹介している。(翻訳・編集/川尻)
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