日本の憲法改正に二つの障害―中国メディア

Record China    2022年7月24日(日) 9時10分

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日本の憲法改正の動きに中国メディアが大きな関心を寄せている。共産党系メディアは改憲には「日本国内の異議」「近隣諸国の反対」の二つの障害が存在すると論じた。

日本の憲法改正の動きに中国メディアが大きな関心を寄せている。共産党系メディアは「日本国内の改憲を支持する勢力が参院選で勝利を収め、日本の国会は間もなく憲法改正の段取りに着手する」と警戒。その一方で改憲には「日本国内の異議」「近隣諸国の反対」の二つの障害が存在すると論じた。

中国網は日本の改憲問題を考察する楊丹志・中国人民大学国家安全研究員高級研究員が執筆した記事を掲載。楊氏は「日本の右翼勢力は長きにわたり憲法改正を目指している。2019年、当時の首相で自民党党首だった安倍晋三氏は自衛隊の存在を日本国憲法第9条に盛り込む意向を重ねて表明し、自衛隊は『防衛の根本』だと主張し、『令和時代』の憲法に改正する決意を示した」と述べた。

楊氏によると、当時安倍氏は三つの障害に直面していた。一つ目は憲法改正を主張する政治勢力。規定の参院議席の3分の2に達しておらず、制度的な障害があった。

二つ目は日本国内の反応。「日本の平和憲法は長年存在し、深く根付き、日本で異議がある話題であり、(改憲が)国民から広く支持されることは難しい」とした。

三つ目としては「日本は第2次世界大戦以降、当時の侵略戦争と戦争の罪を深く反省しておらず、自衛隊の存在を日本国憲法第9条に盛り込み日本の軍事大国化の道をつくれば、国際社会の懸念を引き起こし、特に日本による侵略で重大な災難を被った中国と韓国で懸念と反対が起きる」を挙げた。

楊氏は「日本が憲法改正で直面した『三大障害』のうちの制度面の障害は今存在せず、日本が憲法改正を進めるうえで都合がよいに違いない。しかし、二つ目と三つ目の障害はまだある」と指摘。参院選前の世論調査を引用し、「日本の有権者の関心事トップ3は景気回復、年金、医療で、安全保障と外交は5番目に多かった。一部の有権者は安倍氏への同情から憲法改正派に支持票を投じたが、憲法の内容には完全に賛同していない可能性がある」との見方を示した。

近隣諸国に関しては「中国と韓国の両国は日本の憲法改正の内容に敏感で、特に自衛隊の条項を盛り込むことが中韓から反対されることは必然的である。日本がかたくなに憲法を改正すれば、近隣との外交のこう着状態は免れない」と言及。「憲法改正が決定した場合、日本はいわゆる『正常国化』と『軍事大国化』の道を早足で歩むに違いない」と警鐘を鳴らした。

同時に楊氏は「日本は憲法改正前に起こりうる影響を全体的に考慮する必要がある」と論評。「日本が憲法改正を進めても、日本国内と国際社会の圧力は憲法改正をけん制し滞らせることになるだろう」と主張した。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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