中国の不動産危機を世界が憂慮する理由―独メディア

Record China    2022年7月28日(木) 5時50分

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25日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、中国の不動産危機に世界が憂慮を抱いているとする文章を掲載した。写真は資金枯渇により建設が止まったマンション。

2022年7月25日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、中国の不動産危機に世界が憂慮を抱いているとする文章を掲載した。

文章はまず、中国では1998年の市場改革によって不動産業の急速な発展が始まり、増え続ける中間層に支えられて驚くべき規模の不動産ブームが出現、銀行もこれを商機と捉えて可能な限り多くのデベロッパーや不動産購入者にローンを提供したと紹介。オーストラリア・ニュージーランド銀行が今月発表した報告では、不動産担保ローンが中国の銀行全体における未償還融資額の約20%を占めていると伝えた。

そして、不動産ブームによって不動産価格が上昇し続け、不動産会社もレバレッジを高め続けた結果、中国政府が憂慮を抱くようになり、昨年に不動産融資を規制する「三つのレッドライン」政策を打ち出し、未償還の不動産ローンが銀行ローン総額に占める割合に制限をかけたことで、すでに債務まみれになっていた不動産デベロッパーは融資の源泉を失うことになったとした。

その上で、中国政府の不動産融資規制強化によってデベロッパーの債務不履行が相次ぎ、中でも中国最大のデベロッパーである広州恒大は3000億ドルの負債を抱えるに至ったと指摘。昨年9月には100人近い投資家が広東省深セン市にある本社前で抗議活動を行ったと紹介している。

さらに、今年6月末には江西省景徳鎮市で同社の不動産物件を購入した人々が「10月20日までに建設工事を全面再開できなければ、購入者はローン返済を強制停止する」という「ローン返済強制停止告知書」をたたききつけたと紹介。現在までに中国国内の50都市で少なくとも計300件余りの「告知書」が出されていると伝えた。また、この影響について「ローン返却ボイコットの影響は、未償還の不動産担保ローン全体の0.01%に満たない」との見解が示される一方で、アナリストからはこのようなボイコットがさらに広がっていくことを懸念する声も出ているとした。

記事は、フィッチ・レーティングスが25日に「債務不履行がエスカレートすれば、経済、社会に広範かつ深刻な影響を生む可能性がある」との見方を示したことを紹介するとともに、米連邦準備制度(FRB)が今年5月に発表した報告書の中で「中国の不動産危機がさらにまん延し、世界の貿易やリスク意識に影響を与える可能性がある」と評したことを伝えている。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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