ワン・イーボーをもう一人つくれるか、香港で上場の芸能最大手の難題

anomado    2022年8月9日(火) 22時0分

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中国のニュースサイト・観察者網に8日、「オーディション経済が斜陽になった今、楽華娯楽集団は上場によってもう一人のワン・イーボーをつくり出せるか」と題する文章が掲載された。

中国のニュースサイト・観察者網に8日、「オーディション経済が斜陽になった今、楽華娯楽集団は上場によってもう一人のワン・イーボー(王一博)をつくり出せるか」と題する文章が掲載された。以下はその概要。

ワン・イーボーらが所属する芸能事務所・楽華娯楽は9月にも正式に香港で上場する。同社は「中国最大の芸能人マネジメント会社」を自称しており、業務範囲はマネジメントのほか、知的財産(IP)の制作および運営、汎エンターテインメントなどとなっている。

2009年の創業以来、韓国で一般的ないわゆる「練習生モデル」でタレントを育成してきた。所属芸能人66人、練習生71人のうち、ワン・イーボーやハン・グン(韓庚)、モン・メイチー(孟美岐)、ファン・チョンチョン范丞丞)を含む55人がこの方法でデビューした。また、「UNIQ」や「NEXT」、「NAME」といったグループのほか、バーチャルアイドルグループ「A-SOUL」も生み出した。

同社はオーディションブームによって一気に人気を獲得した芸能事務所だった。「偶像練習生(アイドル練習生)」、「創造101」、「創造営」、「青春有你」などとのオーディション番組が大ヒットし、ワン・イーボーをはじめとする所属芸能人が一気にブレイクしたことで、大きな収益を手にした。

同社の売上高は、19年は6.31億元(約125億円)、20年は9.22億元(約183億円)、21年は12.9億元(約257億円)で、今年は4月30日の時点で3.53億元(約70億円)。マネジメント業務に大きく依存しており、19年は84.0%、20年は87.7%、21年は91.0%となっている。ドゥ・ホア(杜華)董事長も、上場で調達した資金は主に芸能人のマネジメントに当てる考えを示している。

同社の所属芸能人の中で最も注目度が高いのはワン・イーボーだ。19年のブロマンス時代劇陳情令」が大ヒットしたことで一躍芸能人のトップランナーとなり、楽華娯楽の売上高を押し上げた。一方で、同社はマネジメント業務への過度の依存がリスク要因にもなっていると考えている。所属芸能人の評判に業績が大きく左右されるビジネスであるため、所属芸能人に関する訴訟や法令違反、個人の不適切な言動、否定的な報道などが大きな打撃になる可能性があるためだ。

「次のワン・イーボー」をどう作るかも難題だ。「練習生モデル」でワン・イーボーというトップをつくり上げたが、21年から中国政府の芸能界への取り締まりが強化され、オーディション番組が中止された。微博(ウェイボー)では芸能人のランキングが廃止され、音楽プラットフォームでは(ファンによる過剰な消費を抑制するため)すでに購入した商品の再購入に制限が設けられた。

こうした措置は、アイドルたちのデビューの道を閉ざし、楽華娯楽の業務も縮小を余儀なくされた。ワン・イーボーのブロマンス人気の再現を狙ったファン・チョンチョン主演の「撒野」も、政府のブロマンス禁止令によって放送は絶望的となっている。

ワン・イーボー、モン・メイチー、ソニ(呉宣儀/ウー・シュエンイー)、チェン・シャオ(程瀟)、ジャスティン(黄明昊/ホアン・ミンハオ)らトップクラスの芸能人との契約はいずれも24年に満了する。芸能事務所・華誼兄弟集団の王偉丞副総経理はかつて「芸能事務所には固定資産がほとんどなく、唯一の資産は芸能人。優秀な芸能人の去就がそのまま会社の運命を左右する」と語っていた。芸能人の契約満了後の去就が、楽華娯楽の運命を左右することになりそうだ。(翻訳・編集/北田

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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