通勤1時間以上でうつ病リスク33%上昇の可能性、苦痛の解消方法は?―中国メディア

人民網日本語版    2022年8月15日(月) 15時30分

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2021年には中国で60分を超える「極端に長い通勤時間」を強いられている人が1400万人を超え、大都市では長距離通勤が当たり前の現象になったという。

中国都市計画設計研究院と百度地図がこのほど共同で発表した「2022年中国主要都市通勤モニタリング報告」によると、2021年には全国で60分を超える「極端に長い通勤時間」を強いられている人が1400万人を超え、大都市では長距離通勤が当たり前の現象になったという。

これと同時に、全国の「幸福な通勤環境(自宅から勤務先までの距離が5キロメートル以内)」の割合が低下し、機械化された交通手段で通勤しなければならない人がますます増えている。

研究によると、通勤時間と個人の生活への満足度、仕事と健康への満足度、家庭への満足度は反比例の関係にあり、通勤時間が長すぎると幸福感が低下するという。

このほか、英保険会社のバイタリティヘルスは以前、ケンブリッジ大学などの機関に委託して3万4千人を対象にした調査研究を行い、通勤時間がサラリーマンの健康と仕事の効率に与える影響を探った。

その調査によって、片道の通勤時間が30分を超えると、従業員の健康と仕事の効率にマイナス影響を与え、60分を超えるとうつ病になるリスクが33%上昇し、肥満の可能性も21%上昇することが分かった。

「極端に長い通勤時間」の苦痛をどうやって解消するかが、現代の会社員の「必修科目」になった。

北京市の通州区梨園に住み、海淀区後廠村の大手企業で働く王未さんは毎日、地下鉄で3回、バスに1回乗り換え、片道約2時間かけて職場に通っている。映画やテレビドラマを見るのが通勤中の暇つぶしにもってこいで、「そんなに長くない映画なら、職場に着く頃にちょうど見終わる」という。

調査回答者の中には、「通勤途中にSNSにざっと目を通したり、音楽を聴いたりして時間を潰す」という人が多かった。回答者の1人は「長い通勤時間に我慢しているうちにだんだん慣れてきた」と言い、別の回答者は「一部の大手企業の従業員がみんな同じ地下鉄に乗るので、耳を澄ませていると、いろいろ面白い話を聞ける」と述べた。

シカゴ大学の心理学者のニコラス・エプリー教授は以前に行った研究で、研究対象者を3つのグループに分け、そのうち1つのグループには通勤途中に知らない人と世間話をするよう指示した。知らない人と話すことを拒否し人は多かったが、研究の結果から明らかになったのは、指示された任務を達成した人は他の2グループの人よりも明らかに快適さを感じたことだった。

とはいえ、知らない人と話すきっかけを見つけるのは、社会不安障害の人にとっては「極端に長い通勤時間」よりももっと耐えがたいことかもしれない。

カナダのマギル大学の研究によれば、どのような交通手段を利用するにしろ、通勤時間が長すぎると心身にさまざまなストレスを与えることになり、ストレスの原因としては交通渋滞、混み合った車内、遅延などが挙げられる。自家用車、バス、地下鉄より、徒歩、自転車、電車のいずれかを利用する人の方がより快適さを感じるという。

清華大学交通研究所の楊新苗(ヤン・シンミャオ)副所長は長らく「自転車で移動する都市」の建設に力を入れてきた。その話によると、幸福指数世界一のデンマークは、ほぼ全ての人が自転車を1台保有し、世界的に有名な政府要人もその他の有名人も自転車で通勤する人がたくさんいるという。

現在、多くの都市が「15分生活圏」と5キロメートル以内の「幸福な通勤環境」の構築を進めている。楊氏は、「都市を建設する人は道路の建設について考える時、より合理的な鉄道交通だけでなく、二輪を利用する人により多くの空間を提供し、電動アシスト自転車を通勤ツールとして導入し、人々が自転車で移動するよう奨励するべきだ」と提起した。

楊氏は、「北京を例にすると、平均通勤距離は11.3キロメートル、電動アシスト自転車の標準時速は18キロメートル、軽量タイプの電動アシスト自転車なら大半の人が45分もかからずに11キロの道のりを楽々移動できる上、低炭素、グリーン、環境保護にもなる」と述べた。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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