2022年8月19日、韓国・マネートゥデイは、北朝鮮の金正恩（キム・ジョンウン）朝鮮労働党総書記の妹、金与正（キム・ヨジョン）党副部長が尹錫悦（ユン・ソンニョル）大統領に対し「吠えたてる犬」などと非難したことに対し、韓国政府が「無礼だ」と非難し強く反発したと伝えた。

金副部長は19日に出した談話で、尹大統領について「犬は吠えたてるものだというが『大統領』とやらでも変わりないようだ」と批判した。また、「大統領」という公式の職位を着けずに「尹錫悦」と呼び捨てにし、尹大統領が光復節の演説で発表した非核化に向けた「大胆な構想」について「愚かさの極致」「ばかばかしいことこの上ない」「新しい構想ではなく、10年ほど前の李明博が掲げた『非核・解放・3000』のコピーにすぎない」と述べている。記事は「金副部長は文在寅（ムン・ジェイン）前大統領の在職時にも『ゆでた牛の頭』と非難したことがあり、またも国家元首を露骨な表現で非難した」と伝えている。

また金副部長は、北朝鮮が17日に巡航ミサイル2発を発射したことについても、韓国政府が発表した発射場所は間違いだと指摘。「南朝鮮当局が発表した平安南（ピョンアンナム）道温泉（オンチョン）郡ではなく安州（アンジュ）市」だとしている。温泉郡と安州市は90キロメートルほど離れている。

これを受け、韓国大統領室は同日、「北朝鮮が大統領の実名を挙げ無礼な発言を続け、『大胆な構想』を歪曲（わいきょく）し核開発の意思を表明し続けたことを非常に遺憾に思う」との立場を示した。統一部の権寧世（クォン・ヨンセ）長官も、「金副部長の談話は無礼だ」と遺憾を示したが、「引き続き北朝鮮を説得し、必要があれば圧迫もしながら、対話を維持する」との意向を示したという。

この記事に、韓国のネットユーザーからは「じゃあ金正恩とあなたは何だ？人民の血を吸う吸血鬼か？」「豚は金正恩だから尹大統領は犬に例えたのか」「北朝鮮に関心を向けるのはよそう。放っておくのがいい」「北朝鮮に振り回され、なだめようとすること自体が間違いだ。どうせ韓国にミサイルを撃つこともできないんだから、こっちはこっちで軍事的に備え、核実験をしようが何をしようが知らぬ顔をしておくのがいいと思う」などのコメントが寄せられている。

また、「北朝鮮の人間と意見が一致する日が来るとは」「人を見る目は確かだな」「北朝鮮も同じ人間だな。考えていることが同じだ」など、尹大統領への批判に賛同する声も多く見られた。（翻訳・編集/麻江）