韓国・ロッテ百貨店が中国から完全撤退、海外戦略の「軸足」は東南アジアへ

Record China    2022年8月22日(月) 6時10分

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韓国・ロッテグループは、ロッテ百貨店として中国国内に最後まで残っていた四川省成都市内の店舗(写真)を閉店することを決めた。

ドイツメディアのドイチェ・ベレは19日付で、韓国のロッテグループが、中国国内に残っていた同グループ最後の百貨店の閉店を決めたと報じた。ロッテグループは中国国内での百貨店事業に力を入れていたが、米国による韓国国内での高高度ミサイル(THAAD)に協力的な動きをした影響で、経営の継続が困難になっていた。

中国は韓国国内へのTHAAD配備に猛反発しつづけている。ロッテグループは2017年に、THAAD配備のための土地を譲渡する契約を結んだことで、中国政府の反発を受けた。中国ではさらに、同グループが展開するロッテ百貨店に対しての不買運動や抗議デモが発生した。

ロッテ百貨店の中国進出は08年で、天津市、威海市(山東省)、成都市(四川省)、瀋陽市(遼寧省)などに店舗を開設した。ロッテ側は中国を海外における中核戦略市場と位置づけ、事業をさらに発展させるために2012年には中国本社を設立した。

しかしTHAAD問題がきっかけで、中国国内での百貨店事業は極めて困難になった。天津市、威海市、瀋陽市などの店舗はすでに閉店しており、最後まで残っていた成都店も18日になり、7月に行ったロッテグループの取締役会で、売却が決まったと発表された。関連作業はすでに始まっているとされるが、売却先など詳細については不明だ。

ロッテグループは今後、海外における百貨店事業の軸足を東南アジアに移すとされる。

中国政府は今のところ、ロッテ百貨店の自国からの完全撤退について考えを示していない。ただし中国政府は一貫して、「外国企業の対中投資と中国での起業を歓迎する。中国は外国企業の中国における合法的権益を常に尊重し、保護する」と表明すると同時に、「外国企業の中国における経営が成功するかどうかは、中国市場と中国の消費者が決める」と説明している。(翻訳・編集/如月隼人



※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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