フィギュアスケーターの羽生結弦さん（27）が27日に日本テレビ系で放送された24時間テレビでプロ転向後、テレビとしては初の演技を見せたことに、中国のファンから歓声が上がっている。

羽生さんは同番組で、2018年の西日本豪雨で被災した17歳の女子高生・三浦さんを招待し、今年2月の北京冬季五輪のショートプログラム（SP）で使用したプログラム「序奏とロンド・カプリチオーソ」を披露。北京の舞台では残念ながら失敗した冒頭の4回転サルコウ（4S）も見事に決めるなど、ノーミスで2分50秒を演じ切った。

羽生さんは演技直後にガッツポーズを見せ、「初めてちゃんとこのプログラムが、自分の中で完成形として滑りきれたという思いがあります。僕も怖くてなかなか踏み出せずにいたプログラムの一つですけど、でもやっとこれを乗り越えて、また前に進めるなって思えました」と語った。また、緊張が解けると「疲れた。泣きそうだった。緊張しすぎて。オリンピックでできなかったものをノーミスしなきゃいけないという…」と苦笑した。

さらに羽生さんは、18年平昌五輪のフリーのプログラム「SEIMEI」をサプライズとして披露。「僕にとっての代表作でもあるし、皆さんにとっても思い出と共にあるプログラムだと思うので、ちょっとでも、一瞬でも、いい思い出になったらなと思って」と語り、三浦さんも「一生忘れません」と感激した様子だった。

羽生さんの演技とコメントは、中国版ツイッター・微博（ウェイボー）の羽生さんのファンアカウントによってすぐに中国でも伝えられ、それが大手メディアにシェアされるなど大きな反響を呼んだ。

中国のファンからは、「最高に美しかった」「本当に感動した。心が震えた」「爆泣き！！」「GOAT（Greatest Of All Time。史上最高）がまた進化した！すごすぎる！」「ユヅはやってのけた」「あなたはなんて勇敢なの（涙）。あのプログラムを完璧に滑りきるなんて。今の羽生結弦が最高の羽生結弦です」「あなたは永遠に最高です（泣）」「本当に力を与えてくれる『ロンド』と『SEIMEI』だった。その勇敢さで、すべての人を癒してくれた」といった声が寄せられた。

また、「だめだと思っても考えちゃう。もし今日（27日）の『ロンド』が北京五輪でできていたならって」「今考えてもあの穴（羽生さんが北京ではまりジャンプを失敗した）が残念で仕方がない。でも、羽生くんの強さは自分と向き合えるところ」といったコメントや、「ユヅは心の中にある恐怖心を克服したんだ。私もこれでやっと北京の『ロンド』と向き合える」「始まる前、本当に緊張した。4Sを着氷した時、涙があふれたよ。もうつらくない。これから前を向いて進もう」といったコメントも書き込まれている。（翻訳・編集/北田）