中国・遼寧省大連市で、0.3マイクロメートルの微粒子を95％以上捕集できる「N95マスク」を着用していなかった男性が、警察にバスから降ろされる騒動があった。捜狐新聞が30日付で伝えた。

騒動があったのは29日。「普通の医療用マスク」をつけた男性がバスに乗っていたところ、周囲の乗客からN95マスクではないことを理由に「早く降りろ」「道徳に欠けるやつだ」などと責め立てられた。男性は駆け付けた警察官らによってバスから降ろされた。

報道によると、28日に大連市は「29～31日に公共交通機関を利用する際はN95以上の性能のマスクの着用を規範とし、せきや発熱などの症状がある場合は利用を禁止する。規定を守らずに感染症を広めた場合、法に基づき責任を追及する」との通達を出していた。

この件について、中国のネットユーザーからは「この（大連市の）要求は少し行きすぎじゃないか」「これはひどい」「急にN95マスクだと言われても。庶民をドラえもんだと思ってるのかな？ポケットをまさぐれば何でも持ってると」「こんなことで問題視されるの？次は防護服着ないとバスに乗れなくなるんじゃないか」といった声が上がった。

また、「N95なんて普通の人は全くする必要のないマスク規格だよ」「科学を完全に無視した要求だ。恐怖をあおって人々を陥れようとしているのか。目的は何だ。私たちの経済力を削ごうとしているのか」「N95マスクのメーカーが大連市とつながってるのか？」といったコメントも書き込まれるなど、市に反発する声が圧倒的に多くなっている。（翻訳・編集/北田）