Record China 2022年9月4日(日) 8時0分
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3日、環球時報は、「米国が韓国に牙をむき、『価値観』が砕け散った」とする社説を掲載した。写真は5月に行われた米韓首脳会議。
2022年9月3日、中国メデイアの環球時報は、「米国が韓国に牙をむき、『価値観』が砕け散った」とする社説を掲載した。以下はその概要。
1日にハワイで行われた日米韓安全保障担当高官協議について、米国世論では「ますます強まる中国の安全保障上の挑発にどう対処すべきか」が主なテーマになると見られていたが、協議の報道では米韓間で近ごろ発生している経済摩擦がクローズアップされ、米国が東アジアの盟友を引っ張り込んでアピールしてきた「団結」に亀裂が生じた。
バイデン米大統領が8月中旬に署名した「インフレ削減法案」には、米国産電気自動車(EV)に手厚い補助を与える一方で、韓国産には一銭の補助も与えないことが盛り込まれた。韓国国内では同法案が韓国に対する裏切りであり、韓国は米国から背中を刺されたとの見方で一致し、失望と怒りの感情が渦巻いている。「米国主導の世界秩序が支える『自由で公平な取引』」という幻想が、ここに再び崩壊したのである。
一方、米国は韓国からの問題提起を「意外」に感じ、遺憾であるとした。これはきっと、米国のリアルな反応だというべきであり、米国はもともと韓国の利益を考えに入れていなかったことの表れである。韓国による再三の交渉に対し米国は「持ち帰って検討する」とするのみ、誠意ある回答はしてこなかった。この傲慢、軽視は間違いなく韓国に対する侮辱である。
実のところ、韓国世論が米国の「裏切り」に怒りを覚えるのは今回が初めてではない。2018年の米韓自由貿易協定改定では韓国が国内自動車市場のさらなる開放を約束した一方で、米国は韓国の貨客両用小型トラックに対して賦課している25%の輸入関税期限を41年まで延長し、現代と起亜の韓国2大自動車メーカーに「屈辱的」と言わしめた。最近では韓国の半導体産業にさまざまな圧力をかけているのもそうだ。そもそも、米国は韓国の利益を損ねることを気にしていない。
今回の韓国の反応は「覚醒」的な意味合いがあるとともに、他国にも米国やその「価値観同盟」に対する認識を全面的に改めさせたことだろう。尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権は発足後積極的に対米外交を展開し、政策の目玉に据えようとしてきたが、ここにきてそれが大きな落とし穴になってしまった。韓国・中央日報は「米国にとって、国益の前では『価値観』は単なる表向きの理由にすぎない」と評している。
米国にとって、「共通の価値観」は従前より、米国の利益に対する盟友の無条件服従を意味するものであり、盟友に米国との交渉カードを与えるものではない。まさに米国の利益のためにデザインされた「価値観」なのである。
米韓のいざこざで想起するのは、「米国の敵になるのは危険かもしれないが、米国の盟友になるのは致命的だ」というキッシンジャー元米国務長官の言葉だ。韓国は米国による偽りの面目に疑念を抱いた最初の国ではない。そしてまた、最後の国でもないのだ。(翻訳・編集/川尻)
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