各地でコロナ対策「封じ込め」続行、広まる「経済への打撃」の拡大懸念―中国

Record China    2022年9月4日(日) 7時0分

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中国では強力な「コロナ封じ込め策」が続いている。成都市でも対策がが強化された。深セン市では「封じ込め策」が延長された。その結果、経済成長率予想の下方修正が続いている。写真は成都市内での検査風景。

中国政府は強力な「コロナ封じ込め策」を続行している。四川省成都市では新型コロナウイルス感染症拡大防止のための「封じ込め策」が強化された。広東省深セン市では「封じ込め策」が延長された。海外の経済研究機関からは、2022年の経済成長率予想の下方修正が続いた。

■各地で続く「コロナの影響」、電力事情の悪化も追い打ち

深セン市は、ハイテク関連大企業が集中するなどで、中国経済にとって極めて重要な都市の一つだ。同市の重要なビジネス街である福田区やアップルの生産拠点である富士康科技(フォックスコン)の工場がある竜華区の封鎖措置は4日まで延長された。

深セン市は今年春に過去最悪の流行の再燃に見舞われ、約1800万人が何らかの形で所在地で足止めされた。ただし、市政府は3月時点では、全面的な封じ込めに一挙に踏み切ったのとは対照的に、現在は比較的穏やかな封じ込め策を適用しているように見えるという。

人口2100万人を擁する四川省成都市の場合、9月1日には全市を対象に感染拡大防止の「封じ込め策」が導入された。全住民は自宅待機して、必要な場合にだけ外出を認められる施策だ。

成都市は、複数の外国系ブランドの自動車製造工場が存在する年でもある。トヨタ自動車の関係者はロイター通信に対して、同市内にある工場は正常に機能していると述べたという。同工場は成都市政府の要求に基づき、従業員の「閉ループ管理」を実施している。同市内のフォルクスワーゲンの工場も、同様の方式を採用し、正常に稼働しているという。

しかし、スウェーデンに本社を置くボルボ・カーズ(資本関係では中国の吉利控股集団の子会社)は、成都市内の工場の操業を一時停止した。

四川盆地では水力発電が極めて盛んで、成都市は豊富な電力供給がある点も、企業にとって魅力だった。しかし2022年は干ばつの影響で水力発電量が落ち込み、街頭での広告用照明も禁止されるなど、電力事情は相当にひっ迫しているとされる。中国国家統計局も8月31日時点で、全国的な経済のブレーキ要因として新型コロナウイルス感染症だけでなく、電力事情を挙げた。

■国外の研究機関が経済予測を下方修正、中国当局の発表でも「明るい見通し」浮上せず

中国政府は2022年春段階で、GDPの年間成長率の予想目標値を5.5%と発表した。中国のGDP成長率は、コロナ流行が本格化した2020年には2.2%で、21年には前年に落ち込んだ関係もあり8.1%だった。中国ではよく、同2年間の平均値の5.1%の数字が言及される。2022年については、2020-21年の平均値に0.4ポイント上乗せした数字が設定された。

しかしゴールドマン・サックス・グループは8月中旬に、それまで3.3%としていた2020年のGDP成長率予想値を3.0%に引き下げた。野村総研も前後して、それまでの3.3%の予想を2.8%に引き下げた。双方とも、新型コロナウイルス感染症だけでなく、干ばつによる水力発電能力の低下などによる電力供給不足なども要因とした。

また、中国国家統計局の8月31日付の発表によると、同月における製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.4と、景気の推移の判断基準とされる50を、2カ月連続で下回った。2022年になってからの1-5月のPMIは、「50.1」、「50.2」、「49.5」、「47.4」、「49.6」という推移だった。6月には景気判断の境界値の50を上回る50.2に復活したが、7月は再び49.0に落ち込み、8月も49.4で、50以上への復帰は果たせなかった。(翻訳・編集/如月隼人

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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