エリザベス女王と中国の縁―中国紙

Record China    2022年9月12日(月) 10時0分

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上海紙・新民晩報は9日、「エリザベス2世と中国の縁」と題する記事を中国のポータルサイト・百度に掲載した。

上海紙・新民晩報は9日、「エリザベス2世と中国の縁」と題する記事を中国のポータルサイト・百度(バイドゥ)に掲載した。

8日、英国の君主としては歴代最長の70年にわたり在位してきたエリザベス女王が96歳で亡くなった。新民晩報は「在位70年の間、女王は中国と特別な縁を持ってきた」とし、エリザベス女王と中国の関係を振り返った。

記事によると、女王が英国のロンドンで初めて中国人の客と会見をしたのは、香港返還後の1998年3月。当時、中国の首相だった朱鎔基(ジュウ・ロンジー)氏は女王と友好的な言葉を交わした。当時の中英大使・馬振崗(マー・ジェンガン)氏によると、「女王は当時の中国の改革開放の状況や情勢に関心を抱き、興味津々で朱氏に尋ね、朱氏が紹介していた」という。

99年、当時の国家主席・江沢民(ジアン・ザーミン)氏が中国の国家元首として初めて英国を訪問した。バッキンガム宮殿で行われた盛大な国宴で、女王は86年に初めて中国を訪れた際、当時上海市長だった江氏との交流を回想した。

また、この日の少し前に行われた歓迎式典で、英国の軍楽隊が3回も中国の国歌を演奏した。これは英国史上、異例のことだった。さらに、江氏の訪英中に女王が関連行事に6回同行することもまた、異例だったという。

その後、中国の国家指導者は女王のバッキンガム宮殿の「常連」となった。2014年にも、高齢で式典行事の出席を控えていた女王が、中国の李克強(リー・カーチアン)首相が同年6月に英国を訪れた際にウィンザー城で会見した。これについて記事は、「非常に友好的な動きだったことは明らかだ」と述べた。

記事によると、15年10月の習近平(シー・ジンピン)国家主席の訪英に際して、「女王はとても格式高い礼遇でもてなした」という。女王はツイッターの公式アカウントで、1986年に訪中した際の写真を含む5つの投稿を連投したり、自身が主宰するプライベートな昼食会に習夫妻を招待したりした。また、習主席のための夕食会で、女王はあいさつを述べる際にフィリップ殿下との86年の中国旅行を回想した。

記事は、「女王の1週間にわたる初の中国訪問は、1通の手紙、1人の老人、1組の写真で総括できる」とした。「1通の手紙」とは、1602年に英国のエリザベス1世が中国の万暦帝に送った直筆の手紙の複写をエリザベス2世が持ってきたというもの。当時手紙を運んだ者が遭難したため、届けられなかったのだという。女王は、「中国訪問は悲願で、今回の訪問をずっと楽しみにしていました」と述べ、「幸いなことに、1602年以来の郵便事業はすでに進歩しており、あなた方が私たちをここに招待してくれる手紙は無事に届きました。この招待を受けたことは、私たちに大きな喜びを与えてくれました」と語ったという。

「1人の老人」とは、当時中国共産党中央顧問委員会の主任だったトウ小平氏のこと。女王がタバコを吸わないことを知ると、トウ氏はヘビースモーカーだったにもかかわらずタバコを1本も吸わなかった。女王は後に、「トウ氏は高齢にもかかわらず、考え方が俊敏で活力に満ちていたことに強い印象を受けました」と回想している。

そして、「1組の写真」とは、女王の訪中を記録した当時の写真が、今もネット上に出回っていることだ。歓迎式典で中国国旗の色に合わせて赤いコートに赤い帽子を身に付け、儀仗隊を観閲する様子を写した写真や、トウ氏との面会で笑顔を見せる様子を写した写真などがある。

記事は、「女王は中国文化にも特に関心を寄せていた」と述べた。記事によると、女王がかつて王女だった1947年には、中国から「雛鳳儷凰」と題された湘繍(湖南刺繍)が女王の結婚の贈り物として贈られた。2002年の女王即位50周年の際には、江氏が長寿の象徴である鶴を彫った檀の屏風を女王に贈った。06年の女王80歳の誕生日には、女王の肖像が描かれた中国のかぎタバコ入れが贈られた。女王はこのほかにもさまざまな中国風の贈り物を受け取っている。

記事はまた、「女王は文化財の収蔵以外にも、さまざまな中華文化に興味を示した」とした。記事によると、女王が1986年に中国を訪問した際、竜眼を箸でつまんだり、ナマコを食べたりする姿を撮られた。上海・豫園の湖心亭で中国の緑茶を味わったり、雲南省で自然の美しい景色を見に訪れたりもした。当時、女王は雲南省の地に珍しいイングリッシュローズを植えたが、今では英国のバッキンガム宮殿にも中国人の客から贈られた花が植えられている。

記事は、「女王が最も愛したのは、やはり中国の磁器だったのかもしれない」とし、「女王のウィンザー城には、精巧な中国磁器がたくさん置かれていて、どれもこれもすばらしいものだ」と紹介した。2011年、女王の初孫ウィリアム王子の結婚を前に、女王はわざわざ中国から特注した「早生貴子」と呼ばれる澄泥石の壺を贈った。この壺は蘇州の澄泥石彫家が創作したもので、中国の伝統的な結婚式の要素を取り入れてデザインされたものだったという。(翻訳・編集/刀禰)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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