人民網日本語版 2022年9月15日(木) 23時50分
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2022アシックスジュニアテニスツアー広州オープンでこのほど、背負いかごにテニスのラケットを入れて登場したワ族の王発くんが注目を集めた。
2022アシックスジュニアテニスツアー広州オープンでこのほど、背負いかごにテニスのラケットを入れて登場したワ族の王発くん(14)が注目を集めた。そして熱戦の末、王くんはU14の男子シングルスで優勝した。新華社が伝えた。
準決勝で、ダークホースだった王くんは、6対3で優勝候補の選手を倒すと、決勝でもその勢いに乗って、6対2で勝利し、見事優勝を手にした。「もうずっと実家には帰っていないから、かごを背負って試合に出場すると、ほっこりした気分になれた」と王くん。
テニスコートにかごを背負ってクールに登場した王くんの人生を変えたのは、テニスだった。雲南省臨滄市滄源ワ族自治県出身の王くんは、地元で初めて本格的にテニスをするようになった第一陣の子供だ。
王くんは8歳だった2016年に、雲南野象テニスクラブのメンバーに選ばれた。その時、王くんはテニスが何なのかも知らなかったものの、持久力や瞬発力が抜群で、長年テニスのコーチをしている張暁洪さんの目に留まった。張コーチは「才能に恵まれているのだから、育てないともったいない」と感じたという。
そして、王くんは他の子供たちと共に、滄源県から昆明市までやって来て特訓を受けるようになった。彼らが山間部にある故郷から出るのはそれが初めてのことだった。
テニスの練習はとても厳しく、毎日朝6時半に起床して、7時から11時まで、サーブやスウィングの練習をこなさなければならない。1日に少なくとも7000回以上素振りをし、午後には約2時間連続で身体能力訓練をし、夜には学校の勉強もしなければならない。
子供たちはどの子もとても聞き分けがよく、テニスシューズは底に穴が開いてしまうまで履き続け、テニスボールも表面に毛玉ができてしまっても使い続けるといったように、節約を心掛ける習慣を身につけていた。そしてこうしたハングリー精神を備えている子供たちの上達もとても速かった。
王くんはワンプレー、ワンプレーをとても大切にしている。テニスをする真っ黒に日焼けした彼を初めて見た人は、その豊かな表情とみなぎる闘志に圧倒されるだろう。
テニスのおかげで、王くんは初めて山間部にある故郷を出て、初めてテニスの世界チャンピオンを目にし、初めて自分もチャンピオンになった。そしてテニスのおかげで、内気だった彼は、自信に満ちて、快活な性格へと変わった。
王くんの憧れの選手は、スイスのレジェンドであるロジャー・フェデラーで、試合でフェデラーのようなバックハンドスマッシュを決めることができると、うれしくて仕方がないのだという。
張コーチは、「王発は1週間に1時間しか携帯電話を使わない。(かごを背負った)写真は日曜日にネット上で話題になったため、彼は初めのうちは知らなかった。僕が彼に伝えた後も、テニスに気持ちを集中させているため、ほとんど気にしていなかった」と話す。
王くんは今、張コーチと共に河北省廊坊市で練習しており、「プロのテニスプレーヤーになる」という夢を追いかけている。
人生のいろんな可能性を広げてくれるというのもスポーツの醍醐味だ。かごを背負ったテニス少年にはこれからも頑張ってほしいものだ。(提供/人民網日本語版・編集/KN)
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