Record China 2022年9月17日(土) 11時0分
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NEVの購入者が急増している中国で、新車代より高いなどと修理費が問題になっている。特にEVのバッテリー交換が高額になり、不満が集中している。
新エネルギー車(NEV)の購入者が急増している中国で、新車代より高いなどと修理費が問題になっている、と中国紙が伝えた。特に電気自動車(EV)の総コストの半分近くを占めるバッテリー交換が高額になり、不満が集中している。
AFP通信が紹介した東方新報の記事によると、8月にEV「ポールスター2」を購入したユーザーの黄さんは「約30万元(約618万円)で車を購入したのに、修理代に54万元(約1112万円)を請求された」と明かした。
ポールスター2は、中国自動車大手の浙江吉利控股集団とスウェーデンのボルボ・カーズのEVブランド「ポールスター」のセダン型。黄さんの車は事故でシャシーが損傷し、バッテリーパネルにへこみが生じた。ディーラーに持ち込むと「バッテリーパック全体を交換するしかない」として、修理費は54万元かかると提示された。黄さんは「シャシーとヘッドライトが破損したぐらいなのに、どうして車2台分近い修理代がかかるのか?」と訴えた。
今年初めには米EV大手テスラのモデルYを28万元で買ったオーナーは「車をバックさせて壁にぶつけ、リアドアやテールランプなどの修理に20万元が必要と言われた」とインターネットに投稿した。
中国メディアによると、中国EVメーカー・上海蔚来汽車では事故によるタイヤのパンクとホイールの修理費が14万元かかり、自動車メーカー・北汽集団傘下のEVは、購入から3年後のバッテリー交換費用が4万元となり、車の価格7万元の半分以上になったという。
北京のあるディーラーは「バッテリーはEVの総コストの40~60%を占めるので、交換するだけで高額になる。EVの販売台数はまだまだ少ないので、他のパーツも割高なのが実情」と説明。さらに「EVメーカー各社はシェア獲得のため販売価格を抑えている面があり、既に購入した車の修理代も値引きする余裕はない」と打ち明けた。
中国政府は経済をけん引する成長産業としてNEVを後押ししており、購入時の免税措置を導入。二酸化炭素(CO2)の排出を削減し、環境問題改善の切り札にも位置付けている。今年1~7月のNEVの販売台数は前年同期比2.2倍の319万4000台で、全体の自動車販売台数1447万7000台の約22%を占めている。
全国乗用車市場情報連合会の崔東樹事務局長は「高額な維持費は一時的な現象であり、NEVの売り上げが増えていけば次第に落ち着いていく」と見通しを語っている。(編集/日向)
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