中国経済成長予測がさらに下方修正、歴史的な落ち込みに直面―独メディア

Record China    2022年9月29日(木) 15時0分

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世界銀行はこのほど、東アジア・太平洋地域の新興国の経済見通しを発表した。独国際放送局ドイチェ・ヴェレは27日、複数のメディアの報道を引用し、同見通しを分析する記事を掲載した。

世界銀行はこのほど、東アジア・太平洋地域の新興国の経済見通しを発表した。独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは27日、複数のメディアの報道を引用してこれを分析した。

世銀によると、同地域の中国以外の国の経済は徐々に回復している一方で、中国の2022年の実質成長率は2.8%で、4月の前回予測で示した5.0%を大幅に下回った。新型コロナ封じ込めのための厳しい対策が経済活動を妨げていることが原因とみられ、2023年は4.5%と予測された。

ドイチェ・ヴェレの記事は「東アジア全体の(経済)パフォーマンスは中国の影響を受けている」とし、世銀の見通しを引用した。世銀は「世界的な需要の鈍化やインフレなどの悪条件を背景に、東アジア・太平洋地域の今年の経済成長は2021年の7.2%から3.2%に下がるものの、来年には4.6%に回復する」と予測しており、「東アジア・太平洋地域の成長は防疫政策緩和後の内需回復と輸出の伸びによるものだが、同地域の総生産の約86%を占める中国はいまだに『ゼロコロナ』を目標とする厳格な防疫政策を採用しており、これが国内と海外への輸出の経済活動を抑制するとともに、同地域全体の(経済)パフォーマンスに影響を与えている」とした。

記事は、「今年3月以降中国の大都市で相次いで感染拡大が発生し、政府が厳格な防疫を実施したことがコロナ禍からの回復の足並みを乱している」と述べた。

また、アジア開発銀行(ADB)も21日にアジア・太平洋地域の開発途上国の経済見通しを発表し、中国の今年の経済成長率見通しを5.0%から3.3%に、来年の成長率は4.8%から4.5%に下方修正した。記事はこれについて、「中国経済が直面しているリスクとして、感染拡大が繰り返され国内消費需要の全面的な回復を制約していること、不動産市場の悪化、金融システムのリスクの蓄積が市場を混乱させ、政治の介入を引き起こす可能性が含まれている」とした。

また、「中国の李克強(リー・カーチアン)首相は今年3月初めの政府活動報告で、2022年の国内総生産(GDP)成長目標を5.5%前後と明らかにした。これは2021年の公式統計の成長率8.1%から明らかに低下しており、数十年ぶりの低成長予想値となっている。ただこれまでのところ、2022年上半期の中国の経済成長は2.5%にとどまり、公式に定められた目標を大きく下回っている」と指摘した。

記事はさらに、英フィナンシャル・タイムズの報道を引用し、「中国は1990年以降初めてベトナム、フィリピン、マレーシアなどのアジア諸国に後れを取った」と報じ、世銀の東アジア・太平洋地域担当チーフエコノミストAaditya Mattoo氏の「中国はかつて感染拡大後の回復期で先頭に立ち、変異ウイルスの脅威にあまりさらされていなかったが、今や中国はその防疫政策のために経済的な代償を払っている」とのコメントを掲載した。

フィナンシャル・タイムズは、「中国の経済活動の30%を占める不動産業が大きな打撃を受けていることも、経済に影響を及ぼすもう1つの要因だ」とし、「昨年の不動産大手・恒大集団の経営危機以降、建設が止まったままの建物や、不動産価格の暴落を受け、住宅購入意向を持つ人々は計画を慎重に検討しており、元々は上り調子だった住宅市場はここ1年ほど低迷している」と伝えている。(翻訳・編集/刀禰)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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