人民網日本語版 2022年9月30日(金) 5時0分
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ここ数年、化粧品や衣類から家具、自動車まで、海外の消費者の「買い物カート」に入るメイド・イン・チャイナがますます多くなり、種類もますます豊富になっている。
中国からの「海外向け通販」が好調だ。海外のユーザーは何を買っているのか。どこで中国からの「海外向け通販」商品を買っているのか。国境を越えた注文の納品スピードをどのように保証しているのだろうか。
■海外のユーザーは何を買っている?
中国・南京発の越境ファッションECサイトSHEINは、コスパで欧米の若者の心を捉えた。販売されている中国製の衣類や靴は、代理を通さないため「中間マージンがゼロ」で、価格は一番高いものでも10数ドルだ。
衣類や靴だけでなく、一部の人にとってはおしゃれに欠かせない製品であるウィッグも人気が高い。
米国を例にすると、ロングヘアのウィッグは大体500ドルから600ドルするが、阿里巴巴(アリババ)傘下の速売通(AliExpress)なら中国製のウィッグが数十ドルで手に入る。
スマホカバー、スマホ充電コード、スマホフィルムといった細々したものは、中国では数十元で一通りそろえることができる。しかし海外ではこうした製品の値段が非常に高い。例えば、中国で15元(約300円)で売られているカバーが海外の店では25ドル(約3620円)になり、倍どころか、10倍以上の値段に跳ね上がる。
海外には中国の科学技術製品に夢中な「テクノロジーオタク」が数多くいる。彼らはドローン、セグウェイ、特定ブランドのスマートブレスレットといった製品を慎重に選び抜き、到着するのを今か今かと待ち焦がれる。
具入りラー油の老干媽は中国では10数元だが、アマゾンでは5倍近い11.99ドルで売られている。それでも新しい味を試してみたいという誘惑には勝てない。
中国の若者は健康のために保温ボトルにクコの実を入れるが、この方法は早くから海外の健康雑誌で紹介されている。健康志向に国境はない。中医薬の老舗の北京同仁堂の缶入りクコの実は、中国では48元、アマゾンでは送料も含めて29ドルだが、それでもオーガニック食品店で買うより大分安い。
■海外の消費者ではどこで中国からの「海外向け通販」商品を買っているのか?
アマゾンは中国のビジネスマンの世界展開の1つの縮図に過ぎない。アリババ傘下の速売通は早くに登場した越境ECサイトだ。
ロシアやスペインなどの国で、速売通はコスパの高いウィッグや女性用衣類などによって市場を開拓してきた。ここ数年は海外に進出する企業も独自ブランドの構築に努力しており、メイド・イン・チャイナにデザイン性が加わるようになった。
ショート動画プラットフォームでの商品販売においても、中国のライブコマースの大きな成功が手本になっている。中国の人々はショート動画共有アプリ「抖音(中国版TikTok)」のライブコマースで口紅やレザージャケット、タニシ麺を買う。そして海外でも、TikTokのライブコマースでいろいろな国の人が同じように買い物をしている。
中国の淘宝(タオバオ)は今の時代の人々のショッピングスタイルを変えた。東南アジアの各国で流行しているLazadaとShoppeの両ショッピングサイトは、淘宝のコピーとも呼ぶべきだろう。
■海外の消費者はなぜ中国のECサイトでの買い物が好きなのか?
つまるところ、中国のECサイトでのショッピング人気は、単に安いからではなく、コストパフォーマンスの高さこそが揺るぎない真の理由だ。
メイド・イン・チャイナはつとにその名を世界で知られており、ますます多くの中国ブランドが重心を単なる生産から生産+デザインへと移し始め、海外の主流市場へのよりスムーズな進出を目指している。
海外の消費者が中国からの「海外向け通販」で買い物をするのは、大きな価格差の中で安い商品を探そうとしているというだけではない。ハーブエキス製品の清涼油や板藍根などは、「神秘的な東洋の薬」として海外でも大人気となっている。
新型コロナウイルス感染症で中国人が外国に旅行に行ったり消費したりということができなくなった。しかし、貨物機やコンテナを通じて、メイド・イン・チャイナは少しずつ着実に海外へと運ばれ、その歩みが止まることはなかった。
■「注文が来る前に、商品を倉庫へ」配送時間が短縮
バーレーンのジャリラさんは21日、ネットでHiBREW社製のカプセル式コーヒーメーカーとミルクフォーマーを1台ずつ購入した。すると、「19日に注文したら、21日に商品が届いた」という。同社のHiBREWブランド責任者の曽秋平さんは取材に、「注文されたこの2つの商品はどちらもサウジアラビアにある海外倉庫から発送されて、注文から2日でお客様のところに到着した。HiBREWブランドは2020年7月から海外倉庫を使用し、今ではサウジアラビア、ドバイ、ロシア、スペイン、フランスなど12カ国・地域に広がっている。以前は注文を受けた後で、中国から海外へ商品を発送していたが、輸送にかかる時間が長いだけでなく、コストもかかっていた。海外倉庫を使用するようになって、あらかじめ商品を大量に倉庫に送り、注文が入ったら海外倉庫から直接発送するようにしたところ、輸送時間が短縮され、お客様の反応もよりよくなった。20年7月以降、受注量が80%増加した」と話した。
海外倉庫とは、海外に設立された倉庫貯蔵施設で、中国のメーカーやブランド企業、貿易会社、物流サービス会社などに向けて、物品の保管貯蔵、中継、仕分け、パッケージ、倉庫内加工、配送などの基礎的サービス、受注処理、通関手続き、返品・交換、資金調達、海外代理販売などの付加価値サービスを提供する。
中国商務部のデータによると、21年末現在、中国の海外倉庫は2000カ所以上あり、面積は1600万平方メートルを超えた。
商務部中国国際ECセンターの李鳴涛(リー・ミンタオ)EC首席専門家は、「海外倉庫は中国の対外貿易の新業態で、これから越境ECを代表とする新型貿易を支えるための重要なグローバルインフラでもある。越境EC産業の発展は海外倉庫というインフラの力強い支えと切り離せない。整った海外倉庫サービスシステムは越境EC企業のサービス能力をさらに高めることができ、特に現地化能力をさらに高めることができ、海外の消費者とバイヤーにより近距離のサービス体験を提供することができると同時に、物流コストと倉庫貯蔵コストを大幅に引き下げ、越境EC企業のコア・コンピタンスを高めることができる」と述べた。
商品の発送がスピーディーで、返品・交換が簡単なのが、海外倉庫の主な優位性だ。商務部国際貿易経済協力研究院EC研究所の洪勇(ホン・ヨン)副研究員は、「海外倉庫が消費者の所在国に設立されることで、企業は前もって商品を大量に運び込むことができ、消費者が商品を購入すると、商品が所在国から直接輸送されるため、配送時間が大幅に短縮される。消費者が返品・交換する場合は海外倉庫に直接商品を戻せるため、他の方法に比べて、海外倉庫を利用した返品・交換はより便利でスピーディーだ」と述べた。
こうした「注文が来る前に、商品を倉庫へ」モデルは新型コロナの影響を緩和するのにプラスになる。深セン市では、一部の越境EC商品を新型コロナ対策期間中に「海外に出せない」という難問に直面した。そのために深セン税関はさまざまな措置を取って海外倉庫の発展を奨励。それには海外倉庫モデルの報告・審査業務を郵便局の税関で統一的に集中的に処理することや、「ワンストップ式」の単一窓口で海外倉庫モデルの報告を処理することなどが含まれ、業務手続きにかかる時間を短縮することができた。今年1-7月、深セン市税関エリアでは新たに海外倉庫の報告を行った企業の数が前年同期比で2.5倍増加した。(提供/人民網日本語版)
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