オーストリア企業がファーウェイと協力して現地「スマート農業」を推進、政府幹部も期待

Record China    2022年10月5日(水) 10時30分

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ファーウェイとオーストリアのドローンサービス企業であるドローンテクは4日、農作業現場からの実況中継や屋内会場での説明会(写真)を通じて、両社が協力による5Gスマート農業分野への取り組みを発表した。

華為技術(ファーウェイ)とオーストリア最大のドローンサービス企業であるドローンテク(Dronetech)は4日、農作業現場からの実況中継や屋内会場での説明会を通じて、両社が協力して進めている5Gスマート農業分野への取り組みを発表した。

ドローンテクが開発したドローンには、農地や地上の他の物を観察するための高精細カメラとセンサーが搭載される。搭載物の違いにより異なる機種を選ぶことも可能だ。収集した膨大なデータの通信と処理のためには、ファーウェイが高度な技術を培ってきた5Gネットワークとの連携が不可欠だ。

双方は、オーストリアのリンツ市郊外にあり長い歴史を持つヌスベグット農園で2021年、ドローンや5G、モノのインターネット(IoT)技術を活用して農業の持続可能な発展を促進する「スマート農業」の導入の取り組みを始めた。両社はさらに、世界的に高まりつつある食糧の安全供給問題に対する関心の高まりを受け、「デジタル化はいかにして未来型農業を可能にするのか」と題したパネルディスカッションを開催した。同イベントでは、デジタル化や農業分野の企業代表者や研究者、専門家などが、5Gやクラウド人工知能(AI)などの革新的な技術を用いて「人類最古の産業」の一つである農業にイノベーションと持続可能な発展をもたらす方法を議論した。

ファーウェイとドローンテクが農業分野に投入した技術は、農家が害虫を発見したり農作物の成長状況を知ったり、収穫量を予測することに役立つ。また、水や殺虫剤、化学肥料などの使用を最大限に低減する。畑全域に対してではなく、必要と考えられる場所だけに「ピンポイント」で投与できるからだ。

また農業では除草せよ施肥にせよ、あらゆる作業について「最適なタイミングでの実施」が重要だ。そのため従来型の農業では、栽培者の熟練度が収穫量や作物の質を大きく作用した。しかし膨大なデータとAIを駆使するスマート農業ならば、熟練度が低くても最適な結果を出しやすい。さらに農家にとっては、「重労働を軽減し余暇を増やせる」という大きな長所もある。

ファーウェイとドローンテクが進めるスマート農業は、これらにより栽培に必要な費用や物資、手間を大幅に低減し、農業のグリーンで持続可能な発展を推進することに貢献できるという。

両社は4日、一連の取り組みが、「デジタル・スカイ」と名づけた「第2期プロジェクト」の段階に入ったことも発表した。ドローンサービスを「シェアリングエコノミーモデル」に発展させることも視野で、将来的には、農業や太陽光発電、交通など多くの分野でスマート化された状況分析が展開できるドローンと関連システムを、企業や地方政府、個人ユーザーにレンタル/リースしていく考えという。

5G関連でドローンを使う上での最大の課題の一つがネットワークのカバーだ。5Gネットワークは現在、主に地上や屋内のエンドユーザーを対象に設計されているが、ドローンの飛行高度は通常50メートルあるいはそれ以上にも達する。そのため、対象空域をカバーする高品質の通信ネットワークの開発が必要だ。地上だけを考えればよい場合と立体的な空域との送受信を可能にする5Gネットワークの構築は、技術面で「別の話」になるという。

オーストリアのアンドレアス・ライヒハルト財務次官はファーウェイとドローンテクによるプロジェクトについて、「オーストリアでまずはドローンをアスパラガスとブドウ栽培に活用し、リアルタイムの画像認識で農作物の成長を分析し、作物の収量と品質を向上させている。オーストリアはデジタルトランスフォーメーションの機会を捉えたいと考えている。そのためには優れたインフラの整備が必要であり、重点となるのが5Gだ」と述べた。

なお、アスパラガスの葉は平面的ではなく、細い針状の形態だ。スマート農業の実用化では、外観が異なるそれぞれの作物の状況を正確に認識するためにも、高い技術力が求められるという。

ファーウェイ・オーストリアのエーリッヒ・マンツァー副最高経営責任者(副CEO)は、「5G技術応用の三つの重要な特徴は、高帯域幅、低遅延、数百万人の端末装置を連結しやすいことだ。ドローンと5GおよびAI技術を結びつけることで多くの資源集約型分野の問題を解決できる」と紹介した。(翻訳・編集/如月隼人

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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