日本上空を横切った北朝鮮のミサイル、「2017年危機の再燃懸念される」と韓国紙

Record Korea    2022年10月7日(金) 11時0分

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北朝鮮が4日、日本上空を横切って太平洋に向かうIRBMを発射。韓国紙は「朝鮮半島で2017年のような危機状況が再現される可能性が高まった」と憂色を深めた。

北朝鮮が4日、2017年9月以来5年ぶりに、日本上空を横切って太平洋に向かう中距離弾道ミサイル(IRBM)を発射した。韓国紙は「北朝鮮が7回目の核実験まで挑発のレベルを高めるだろうという警告音が響いている」と指摘。「朝鮮半島で17年のような危機状況が再現される可能性が高まった」と憂色を深めた。

ハンギョレ新聞によると、韓国軍合同参謀本部は4日のIRBMがこれまで北朝鮮が正常角度(30~45度)で発射した弾道ミサイルの中で最も遠い距離である4500キロを飛んだと分析した。平壌から米領グアムまでの距離は約3400キロであるため、今回の発射は有事の際に朝鮮半島に展開される米軍増援戦力の発進基地であるグアムをはじめ、米国に打撃を与える能力を誇示するのが狙いとみられる。

同紙は社説で「北朝鮮は米空母が釜山に入港した9月23日以降、すでに4回にわたり短距離ミサイルを発射し、韓国に威嚇のシグナルを送ったのに続き、IRBM発射で米国と日本を狙ったシグナルを送った」と言及。「次の段階としては11月の米国中間選挙などを念頭に置いた大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射や7回目の核実験が予想される」として、「17年夏と類似した局面が繰り返され、韓国の安全保障状況が大きく悪化する可能性も排除できない」と続けた。

17年当時、北朝鮮が米本土も射程に入るICBMを発射するなどしたのに対し、米国は朝鮮半島沖に3個の空母打撃群などを配置。さらに核弾頭搭載可能な長距離爆撃機を飛行させ、軍事的緊張が高まった。

北朝鮮のIRBM発射などに対抗して、米韓両軍は4日午後、攻撃編隊群の飛行とともに、朝鮮半島西側の黄海にある稷島射撃場の仮想標的を狙った精密爆撃訓練を行った。5日未明には韓国軍と在韓米軍が地対地弾道ミサイル「ATACMS」をそれぞれ2発、計4発を発射し、日本海上の仮想標的を精密打撃した。北朝鮮のさらなる挑発を抑止するため、連合戦力の対応能力を示したと合同参謀本部は説明した。

今後の見通しについて、社説は「北朝鮮が挑発を強めるたびに、韓国政府は米国の戦略兵器の展開やミサイル発射、韓米日共同軍事訓練などで対応し、朝鮮半島で強対強の対決が続くものとみられる」と予測。「国連安全保障理事会の分裂、北朝鮮と中国、ロシアの密着などにより、北朝鮮の挑発に対応する『安全弁』が制限されている状況で、韓米日と中露の対立が固着化する可能性も高い」との見方を示した。

その上で「(こうした対立は)南北どちらにとっても得るところがない」と強調。「北朝鮮は無謀な挑発を止めるべきであり、韓国は軍事的対応を強化する一方で、長期的に対話の扉を開くための戦略的対北朝鮮政策で出口をつくらなければならない」と訴えた。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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