中国、石油製品の輸出拡大へ、ロシアからの供給を一部代替、輸入LNGを日韓や欧州に転売も

Record China    2022年10月8日(土) 18時0分

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中国の石油精製業者が製品の輸出を増やす見通しだ。ロシアからの供給を一部代替する見込みだが、中国は輸入したLNGを日韓や欧州に転売ともされ、したたかな一面をうかがわせている。

中国の石油精製業者が2022年11、12月および23年初めにかけて製品の輸出を増やす見通し、とロイター通信が報じた。ウクライナ侵攻で禁輸となったロシアからの供給を一部代替する見込みだが、中国は「輸入した液化天然ガス(LNG)を日本、韓国や欧州に転売」ともされ、したたかな一面をうかがわせている。

ロイター通信によると、輸出拡大は中国政府から石油精製業者に付与される割当枠が今年最大になったことが背景。レリガー・ブローキングのコモディティー(商品)・通貨調査部門副社長のスガンダ・サチデバ氏は「ロシア産石油に対するEU(欧州連合)の禁輸措置をめぐる懸念があり、中国からの製品輸出増加は石油市場をかなり下支えするだろう」と指摘。「消費需要が減退する中での輸出拡大は中国経済を支えることにもなる」と述べた。

今回の輸出枠には1325万トンの石油精製品(ガソリン、ディーゼル燃料、航空燃料)と175万トンの低硫黄船舶燃料が含まれている。精製品の輸出枠はやはり今年に入り最大。通年のトータルは3725万トンで21年と同程度になる。コンサルティング会社FGEは過去4回分の割当枠について、9月末時点で約700万トン分残っていると予測。「新たな割当枠と合わせると第4四半期に2000万トン超の輸出枠がある」とした。

また、割当枠を消化するには11月と12月に日量200万バレル近くに輸出を増やす必要があるとした上で、輸送コスト高などで年末までに完全に消化しない可能性があるとも指摘した。アナリストによると、中国の月間輸出量は11、12月に倍増して400万~500万トンになる可能性があるという。

一方、香港メディアの香港01は4日、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルの報道を引用して、「中国が輸入したLNGを日韓や欧州に転売している」と伝えた。

記事によると、経済の減速や新型コロナ感染症によるロックダウン(都市封鎖)などの影響で、中国内で天然ガスの需要が低下している。半面、今年に入り中国がロシアから輸入した天然ガスは前年比で3割増加しているほか、米国と長期的な供給契約を結んでいることから、中国で天然ガスの備蓄量が増加しているという。

業界関係者によると、中国のタンカーが米国でLNGを受け取り、そのまま欧州に輸送するケースも増えている。昨年1~8月に中国に寄港した米国のLNG運搬船は133隻だったが、今年はわずか19隻だという。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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