Record China 2022年10月11日(火) 6時40分
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中国では政府の奨励策があり、ICチップのメーカーが猛烈な勢いで設立されているが、倒産・廃業の事例も過去にない水準に達している。
中国大陸の情報/ポータルサイトである網易や台湾メディアの中時新聞はこのほど、中国では政府の奨励策もありICチップの工場が次々に設立されているが、一方では倒産が相次いでいると紹介する記事を発表した。
中国は国を挙げてICチップ関連産業を盛んにしようとしている。政府の奨励策を受けて、2020年に新規登記された関連企業は23万1000社、21年には4万7400社に達した。しかし一方で、22年1-8月に廃業した関連メーカーは3470社と、過去になかった高い水準で推移している。
福建省晋江市に本社を置くICチップ設計会社の鐘林董事長(会長)はこのほど、SNSを通じて「中国のチップメーカー創業の大きな上げ潮も、そろそろ引き潮の時期に来ている」との見方を示し、さらに「創業者はいずれも不死身の猛者だが、政府補助金はすべて納税者が出した金ということを肝に銘じねばならない」と論じた。
鐘董事長はさらに、新興のICチップメーカーの「死に至る五つの道」を総括した。まず挙げたのは、会社上層部のチームに混乱が発生することだ。実際には存在しない「紙の上だけに存在する需要」を信じて、無益な出費をすることだ。次に、やみくもに投資をした結果、出資者に迎合するために、新たな道やチャンスを無意味に模索する。また、投資者が「損切り」のために資金を回収し、会社の回転資金がなくなる場合もある。自社の時価総額を高く見積もり、その結果として回転資金が不足する場合もある。
さらには、科学技術系の新興企業が株式を上場させる上海証券取引所の「科創板(科学イノベーションボード)」は、ボード全体としての資金調達力が十分に大きくないので、株式を上場しても取引が不活発という状況もあるという。
北京に本社を置いてバイオテクノロジー企業やハイテク医療機器メーカーへの投資を行う藍海資本(ブルーオーシャン・キャピタル)のシニアパートナーを務める李方氏は、「中国政府は半導体産業の自主的な発展をもたらすことに非常に焦っており、チップを造ろうとするいかなる投資に対しても、国を挙げて支援している。このことが多くの詐欺師に利益獲得のチャンスをもたらしている。彼らは最終的に、倒産あるいは詐欺スキャンダルで滅びる」と述べた。李氏は英国から帰国した博士号を持つ人物で、これまでレノボ・グループの技術発展部の責任者を務めたなどの経験があるという。
中国の半導体産業について「米国を追い抜け」という“野望”を持っているが、李氏は楽観視していない。なぜなら、半導体の製造工程は非常に精密で、「発展の近道」は存在しないからだ。李氏によれば、半導体分野で中国は劣勢であり、技術の蓄積には時間がかかる。少なくとも20年から30年の時間をかけてようやく、米国に「挑戦」できる状況になるという。(翻訳・編集/如月隼人)
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