急速な円安の中で外資による日本の不動産買いが活発化、その影響は?―中国メディア

Record China    2022年10月20日(木) 12時0分

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19日、環球時報は、急速な円安が進む中で外資による日本の不動産購入が活発化しているものの、日本経済の活性化につながるかは不透明であるという専門家の見解を紹介する記事を掲載した。

2022年10月19日、環球時報は、急速な円安が進む中で外資による日本の不動産購入が活発化しているものの、日本経済の活性化につながるかは不透明であるという専門家の見解を紹介する記事を掲載した。

記事は、円安の勢いが止まらず、1ドル=150円の大台も見えている中で、今がチャンスとばかりに海外資本が続々と日本の不動産購入に動いているとし、米国の大型投資企業ブラックストーングループが21年に約600億円を投じて京都市など8カ所のホテルを購入し、さらに日本での賃貸マンション、オフィス、データセンターへの投資を計画していると紹介。香港の不動産投資ファンド、ガウ・キャピタル・パートナーズも今年春に東京、大阪などで32物件の賃貸住宅を購入したほか、シンガポール政府系投資ファンドのGICも来年3月までに1471億円を投じて「ザ・プリンスパークタワー東京」や「苗場プリンスホテル」などプリンスホテルの資産31物件を購入する計画だと伝えた。

そして、外資による日本の不動産購入の活発化について日本メディアが「落とし穴がある」と報じ、日本への興味が日本経済の強さではなく、景気の悪さに起因していると分析したことを紹介している。

その上で、中国社会科学院世界経済・政治研究所の李毅(リー・イー)研究員は「日本メディアの分析や憂慮にも一理ある」とし、外資による「日本買い」の現象が主に不動産業界のみで発生しており、製造業などの他の業種にまで波及していないことから「外資は日本経済が回復しているとは認識していない」との見解を示すとともに、「不動産業界に流入した外国資本が直接的、または間接的に他業界を刺激するかどうかについては具体的な分析をしなければわからない。不動産業界自身については、不動産の利用率や投資リターン率は日本国内の経済情勢と密接に関わっているため、日本経済の軟調が続き、さらに悪化するとなれば、業界の収益に必ずや大きな影響が生じるだろう」と述べたことを伝えた。

また、対外経済貿易大学国際経済研究院教授で、日本銀行北京事務所の客員研究員である西村友作氏が「海外の投資家にとって、(円安である)現在は日本の不動産に投資するチャンスと言える。ただ、購入後の不動産が有効利用されるかどうかというのはまた別の問題だ」と指摘したほか、現在の状況は「円安というよりもドルの一人勝ち状態」であるとともに、円安ドル高のペースがあまりにも急激であるため、為替変動リスクへの対処が難しく、多国籍企業に大きな不安定要素をもたらすことになるとの見方を示したと紹介している。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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