ファーウェイが改めて鉱業のスマート化を強調、社外からも期待の声

Record China    2022年10月24日(月) 9時0分

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ファーウェイはこのほど、かねてから進めてきた鉱業のスマート化がもたらす効果を改めて強調する文章を発表した。同文章はファーウェイの関連部門責任者や外部の専門家の声も紹介した。

華為技術(ファーウェイ)はこのほど、かねてから進めてきた鉱業のスマート化がもたらす効果を改めて強調する文章を発表した。同文章はファーウェイの関連部門責任者や外部の専門家の声も紹介した。

ファーウェイは、2019年ごろから米国による強い圧力に直面するようになったこともあり、ビジネス構造の再構築に力を入れるようになった。特徴的なのが、それまで顧客の主力だった消費者や通信会社だけでなく、それ以外の業界向けビジネスに力を入れ始めたことだ。とはいえ、ファーウェイ自身が異業種を手掛けるのではなく、自社が蓄積してきたデジタル技術などを活用し、IT業界の他の企業とも協力することで対象企業や対象とする業界が抱える独自の問題を解決することで、より多くの「ウィンウィン」を目指すビジネスモデルだ。

重点が置かれた分野の一つが、石炭産業などをはじめとする鉱業だ。鉱業における坑内での作業は、危険が伴う仕事だ。中国だけでなく世界各地で、事故発生のために多くの人が命を失ってきた。ファーウェイは坑内作業の人員削減とさらには無人化、また各種センサーや通信、人工知能(AI)の応用で、異常事態を事前に察知し事故発生を予防する手法を向上させつつある。

また中国の鉱山業界は、人手不足、特に若い労働力が不足する問題に直面している。危険・きつい・きたないの「3K職場」を敬遠する人が増えたからだ。鉱山のスマート化は、人手不足による生産力減退を回避するためにも極めて有効と考えられている。

ファーウェイがこのほど発表した文章は、かつての鉱山の作業について、「坑内で機械が轟音(ごうおん)を鳴り響かせ、粉塵が飛び交い、危険が潜伏している。入坑の際には誰もが『無事に戻ってきたい』と願っていた」と論じた上で「今ではデジタル技術により伝統的な業界に新たなチャンスが到来した。『スーツ姿でネクタイを締めての労働』も、もはや夢ではない」などとして、従来は坑内に入って2時間を要した点検作業も、コントルームルームの中で座ってマウスを操作して1分間で終わらせられるようになるなどと論じた。採掘作業も遠隔作業が導入され、重労働と危険と向き合うことも必要なくなるという。


ファーウェイがこのほど発表した文章は、社内および社外からの「鉱山スマート化」についての考えも紹介した。以下は、掲載された各人の声だ。なお、文中にある「軍団」は、軍事関連には関係なく、軍組織が自己完結性を持つのと同様に、担当分野について需要の掘り起こしから製品などの開発、設置、アフターサービスまでを一貫して行える社内組織につけられた名称だ。

■ファーウェイ常務役員 ICTインフラインフラ施設業務管理員会主任 汪濤氏

デジタル技術と実体経済の融合の鍵となるのは、「いかにして融合させるか」だ。ファーウェイは2021年初頭、業界として技術を探求し、余分なことを削減して顧客のために価値を創造する初心に基づき、「炭鉱軍団」と呼ぶ組織を成立させた。これは鉱山のシーンに焦点を絞ってデジタル技術と鉱山産業の融合を模索する実践の道だ。主要な取り組みは「枠組みの融合」「標準の融合」「イノベーションの融合」「エコとの融合」だ。

■ファーウェイ石炭軍団会長 趨志磊氏

鉱工業もインターネット時代に入った現在、ファーウェイ石炭軍団と大型石炭生産企業、業界パートナーは、鉱山のスマート化を実践中だ。その実践で模索する「統一標準、統一枠組み」によるスマート鉱山産業は、炭鉱のスマート化が必ず通る道であり、「統一されたデータの規範」は、データを中核とする生産要素の価値向上という業界における普遍的な訴求に対して、十分に価値を発揮するようになった。鉱業業界に独特な面に対応するために、「七大転換」によりスマート鉱業のインターネットを建設し、スマート鉱山を高速に進行させねばならない。

※七大転換:趨志磊氏が発表した、スマート鉱業実現のために必要な各種の「七つの転換」を指す。デジタル技術の活用により、業務上の意思決定をすべてデータに依拠して行うことや、業務に特化したソフトウェア、統一された情報共有のプラットフォーム、人工知能の活用により坑内の作業員を最少化することなどを含む。

■中国工程院院士 袁亮氏

中国の炭鉱の全面的スマート化は、実践という基礎の上に、未来に向けてのピンポイント採掘という理念に向けて進めていかなければならない。すなわち、産業のインターネットの構築をスマート炭鉱の体系を構築する基盤として、センシング、通信、プラットフォーム、クラウド、応用などの階層から考えて行かねばならない。わが国の石炭採掘が抱える課題を踏まえて、ピンポイント採掘に向けていかに前進していくか。ピンポイント採掘の各階層をいかにして構築していくか。ピンポイント採掘について現状でどのような成果を達成しており、将来にはどのような課題が発生するのか。この文章では、その一部が提示されている。

■中煤能源集団首席専家 朱林氏

炭鉱のスマート化は石炭業界の質の高い発展の中核だ。その目標は、高能率の採掘と安全問題の解決だ。炭鉱のスマート化は5G、F5G、クラウド、ビッグデータ、AIなどのICT技術に依拠して、より大きな生産力を実現することになる。本文章は「リアルタイムで感知してこそスマート化できる」「ネットワークを組み合わせて障害を突破する」「スマート鉱山にはスマート大脳を配置せねばならない」の3方面から、スマート炭鉱を建設する過程において、いかにしてICT技術により採掘効率を向上させて生産上の問題を解決するかを説いている。

※F5G:欧州電気通信標準化機構(ETSI)が定めた第5世代の固定通信ネットワーク。すでにさまざまな業界でに導入されはじめており、デジタルトランスフォーメーションを加速している効果を発揮しているとされる。(翻訳・編集/如月隼人

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