Record China 2022年10月29日(土) 8時0分
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26日、環球時報は、米電気自動車(EV)大手のテスラが中国市場で車両価格を値下げしたことについて、中国の新エネルギー車市場の競争が一層激化していることの表れだとする記事を掲載した。
2022年10月26日、中国紙・環球時報は、米電気自動車(EV)大手のテスラが中国市場で車両価格を値下げしたことについて、中国の新エネルギー車市場の競争が一層激化していることの表れだとする記事を掲載した。
記事は、テスラが24日に「モデルY」と「モデル3」の2車種について、中国での販売価格を9.4%引き下げて最低価格をそれぞれ28万8900元(約590万円)、26万5900元(約540万円)とすることを発表したと紹介。「リチウム材料価格高騰のため値上げを続けてきた車両販売価格を3月初めの水準にまで戻した」と伝えた。
そして、中国自動車工業協会の予測で、今年のEV販売台数が前年比約56%増の550万台に達すると見られる世界最大の中国EV市場においてテスラが販売価格を引き下げたことについて、BYDや上汽集団、蔚来など国内企業がひしめく中国市場の競争が一層激化していることの表れであるとの見方を示した。
また、テスラの株価は今年に入ってすでに45%以上値下がりしている中、今回の中国市場で値下げを断行したことについて、経済成長の鈍化や競争の激化によってテスラの収益性が下がり、EV市場での主導的地位が揺らぎ始めているのではないかとの懸念が投資家の間で出始めたと紹介。テスラの今年7〜9月期の売上高も予想をやや下回っており、上海工場の生産拡大によって注文の消化速度が高まり、中国政府の新エネ車補助金終了が間近に迫る中で、値下げによって販売を刺激して10〜12月期の業績アップに向けたラストスパートを仕掛けようとしているという業界アナリストの見解を伝えている。
その上で、中関村新型電池技術イノベーション連盟の于清(ユー・チン)事務局長が「テスラの中国市場での値下げは主に販売量を増やし、株価の下落に歯止めをかけることにある。中国のEV市場をリードしてきたテスラは現在、BYDなどの中国ブランドの圧力をますます強く感じつつあるのだ」と評し、BYDが月間販売20万台を突破し、吉利、広州汽車、上海汽車、長安汽車、長城汽車、奇瑞、哪吒、理想、零跑、蔚来などのメーカーが月間販売1万台を突破しており、しかも大きな成長の潜在性を持つなど、テスラ一強の外資ブランドに比べて中国ブランドは新エネ車分野で急速な発展を遂げていると述べたことを紹介した。
記事はさらに、飛ぶ鳥を落とす勢いで成長する中国の新エネ車企業は高い技術力を生かして海外の大手自動車メーカーとの提携も進め、さらなるシェア拡大を目指していると紹介。トヨタが24日、BYDと共同開発したbZ3を近日発売することを発表したと伝え、電動化技術で世界をリードするBYDとの提携によって、トヨタとしても世界最大市場である中国でのEVシェア拡大を模索していると伝えた。(翻訳・編集/川尻)
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