Record China 2022年10月29日(土) 12時0分
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27日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、中国遠洋海運集団によるハンブルク港の埠頭買収問題について、出資比率を下げた妥協案でも危険だとする専門家の見解を伝えた。写真はハンブルク港。
2022年10月27日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、中国国有企業である中国遠洋海運集団によるハンブルク港の埠頭(ふとう)買収問題について、出資比率を下げた妥協案でも危険だとする専門家の見解を伝えた。
記事は、ドイツ政府が26日、ハンブルク港のトレロート(Tollerort)コンテナターミナルへの中国遠洋海運集団(中遠集団)による出資について、当初計画していた比率より低く、取締役会での否決権を獲得できない24.9%の比率による出資を認める妥協案に同意したとする一方で、経済の専門家からは「この取引にはなおもリスクが満ちている」との声が出ていると伝えた。
記事によると、独キール大学世界経済研究所の中国問題専門家であるロルフ・ラングハマー氏は、比率を下げた上での出資認可について独中両国が互いのメンツを保つために妥協した結果であるとの認識を示すと同時に、「ただし重要な問題は取得株式がどれだけかではなく、中遠集団が中国政府による海のシルクロード、デジタルシルクロードの一翼を担っており、多くの野心を持っているということだ」と指摘したという。
ラングハマー氏はまた、中遠集団にとって重要なインフラは埠頭本体ではなく、海運のデジタル化である可能性が高いとし、「中遠集団がデジタル化を進めれば大きな優位性を確保することになり、規制法規を打ち出さなければ市場の独占を阻止できなくなる。中遠集団はデジタル化した海運ソフトウエアを必ずやライバル企業に開放し、協力を展開するだろう。そこで大きな問題となるのが、中国以外の顧客データがどこに保管されるのかということ。データが中国国内のサーバーに保存され、中国政府がデータを閲覧する可能性はないのかということだ」と述べている。
記事によると、ドイツの複数メディアがギリシャのピレウス港の事例を取り上げ、中遠集団が十数年前に取得した同港の株式は少数だったにもかかわらず、今や半分以上の株式を保有して完全な支配権を持つに至っていると報じる一方、ミュンヘン大学経済学研究所のクレメンス・フュースト所長は「中国もドイツへの投資では一定のリスクを犯している。例えば、中国政府が港の運営に干渉するなど特定の状況が発生した場合、ドイツ政府が中国企業の投資資産を没収できるからだ」と述べ、憂慮が大げさなものであるとの認識を示したという。
フュースト所長はまた、ドイツにとって重要なのは「政府がこのインフラへの脅威に対して本当に準備ができているかどうか」であり、「ドイツ政府は中遠集団が必要以上にハンブルク港の運営に介入できない状態を確保するために必要な規制措置を打ち出すべきだ」としている。(翻訳・編集/川尻)
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