Record China 2022年10月30日(日) 22時0分
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27日、澎湃新聞は、台湾と韓国の半導体産業が「厳しい冬」を迎えようとしているとする文章を掲載した。
2022年10月27日、中国メディアの澎湃新聞は、台湾と韓国の半導体産業が「厳しい冬」を迎えようとしているとする文章を掲載した。以下はその概要。
当初こそ大層な勢いだった米国主導の「CHIP4(チップ4)」は早くも内部対立により苦境に陥っている。台湾当局は10月、半導体産業に対する態度を転換し、サプライチェーンを台湾に残す必要性を強調して、ついには米国に対しえん曲的ながら「NO」を突きつけるに至った。
足並みがそろわないとはいえこの米国主導の連合体が中国本土にとって脅威にならないとは言えないし、種々の面倒は避けられないだろう。しかし、その効果が米国の想定していたレベルに及ばないであろうことは一目瞭然である。「CHIP4」の枠組みにおいて日韓がいささか台湾の存在を拒む姿勢を見せるとともに、韓国は中国排除という「CHIP4」の性質に対して非常に懐疑的だ。
そこで米国は韓国、台湾の大手メーカーを脅して言うことを聞かせようとしている。これは韓国、台湾のメーカーにとっては大きなプレッシャーだが、仮に米国からの脅しがなかったとしても両国・地域の半導体サプライチェーンは厳冬に直面している。
景気の大きなサイクルの変動に伴い、これまで活況を呈していた半導体産業では各メーカーで在庫を多く抱えるようになった。韓国は経済の屋台骨であるメモリチップの輸出が縮小したことで14年ぶりの貿易赤字に転落した。インフレ、ウォン安、メモリチップ価格の急落でサムスンやSKハイニックスは厳しい状況に立たされている。メモリチップへの過度の依存という構造上の問題を抱える韓国は、中国本土の急追、台湾の半導体産業の安定、日本のとの競争、そして米国の半導体再興計画という四方からのプレッシャーを受け、CHIP4を拒む姿勢を取るに至っているのだ。
韓国の半導体産業が抱える問題は「モデルチェンジ」だが、台湾の半導体が抱えているのは「根こそぎ米国に奪われる」という一層深刻な問題だ。急激な需要増によって「世界の運命は台湾の半導体サプライチェーンにかかっている」とさえ言われてきたが、この1か月で先進国から台湾への過度の依存を警戒する声が出始め、今や世界の半導体サプライチェーン転換の犠牲者になろうとしているのである。台湾のサプライチェーンは韓国に比べて整っており、代えがきかない。だから、米国はサプライチェーンの寸断ではなく、台湾のサプライチェーン全体を根こそぎ持っていこうと企んでいる。
米国の執念は非常に深く、やり方もあからさまだ。しかし同時に、市場の力を見くびり、身の丈を超えた戦略目標を掲げているが故に、あまりにも高いリスクを抱えている。半導体産業のつながりは実に複雑であり、狙ったところに「攻撃」を仕掛けるのは難しい。一旦「誤爆」して企業の利益を損ねれば、企業は苦境脱出を優先して戦略の足並みが乱れ、状況があっという間に反転しかねない。
米国の戦略における最大の盲点は、各当事者に足並みをそろえるよう求めながら、戦略における矛盾が相互利益を上回っていることだ。韓国、台湾の苦境からは、米国による強引なサプライチェーンの分解や「丸のみ」自体とても難しい話であり、ましてや世界経済を取り巻く環境が思わしくない中で企業の利益を犠牲にしてまで安全保障戦略を進めようとすれば、やがては息が詰まって先に進めなくなるということが見て取れるのである。(翻訳・編集/川尻)
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