セウォル号に次ぐ大惨事となったソウル梨泰院事故、韓国メディアが「またも国家はいなかった」と批判

Record Korea    2022年10月31日(月) 16時0分

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31日、韓国日報は、梨泰院の路地でハロウィーンを前に集まった大勢の人が相次いで転倒し、150人以上が亡くなった事故について「セウォル号事故以降8年ぶりに発生した後進国型事故だった」と伝えた。

2022年10月31日、韓国メディア・韓国日報は、ソウル・梨泰院(イテウォン)の路地でハロウィーンを前に集まった大勢の人が相次いで転倒し、150人以上が亡くなった事故について「14年4月に304人が死亡したセウォル号事故以降8年ぶりに発生した後進国型事故だった」「またも国家はいなかった。存在はしているが、いつも登場するのは惨事発生後だ」と批判した。

中央災難安全対策本部は、30日午後9時の時点で今回の事故による死亡者は154人、負傷者は132人だと発表した。被害者の多くが20代で、外国人も26人が死亡した。韓国内の死亡事故では、セウォル号事故以降で最も大きい規模となった。

今回の事故について、記事は「セウォル号事故と共通点がある」とし、「被害者の多くが10~20代である点」と「安全意識の欠如により事故が発生した点」を挙げている。

ハロウィーンを前に約10万人が梨泰院に集まると予告されていたが、交通規制は行われなかった。実際に狭い路地に大勢の人が押し寄せても警告などは行われず、セウォル号が急旋回をきっかけに沈没したように、梨泰院でもバランスを崩した誰かが倒れ、そこから将棋倒しになったという。

記事は今回の事故が「典型的な後進国型の惨事」だという点も指摘している。専門家らは「韓国の災難管理システムは予防や備えよりも対応と復旧に力を入れているため、大規模事故に対してはなす術がない」「10万人が密集するハロウィーンイベントには主催者がいないため責任を問うことが難しいと言われているが、主催者がいない時こそ国が率先して安全対策を行うべきだった」などと話した。

また「国に1次的責任があるが、個々人が安全を最も重要な価値として認識しなければならない」との指摘も出ている。ある専門家は「危険を感知したら通報し、共有する文化が定着していれば、今回のような惨事は阻止できた」と述べたという。

記事は「セウォル号事故以降、国は『国家改造論』を強調してシステム改革を宣言したが、何も変わっていなかった」としている。

この記事を見た韓国のネットユーザーからは「国が責任をとるべきだ。無対策、無関心、無責任が問題」「国がどんどん後退している。セウォル号事件は朴槿恵(パク・クネ)元大統領の弾劾で責任をとった。梨泰院事故は誰がどう責任をとる?」「『ハロウィーンイベントへの参加有無は個人の選択だから国や自治体に責任はない』との考えで終わらせてはならない。国家の役割は、国民がそのシステム内で安全を感じ、自由に個人の人生を営めるようにすることだから」「事故発生3時間前にはすでに危険な状態だった。その時点で警察がパトロールや警告を行っていれば防げた事故」など、国の責任を問う声が上がっている。

一方で「個々人の行為をなぜ国が?。残念だし起きてはならない人災だけど、それは違う」「お酒を飲んでお祭り騒ぎをしていたのだから、警察がいくら制止しても聞く耳を持たなかっただろう」「国のミスでこの事故が発生したとは1ミリも思えない」「何を言っているのか。国家があるから夜に自由にお酒を飲んで踊れるんだ」など反論の声も。

その他「国家がどこにある?。この国は無政府状態だ」「予告されていたなら、なぜメディアは黙っていた?」「国民性、国民意識に原因がある。誰も譲らず押し合ったために起きた事故だ」などの声も見られた。(翻訳・編集/堂本

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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