台湾の半導体産業、人材不足が深刻化―中国メディア

Record China    2022年11月4日(金) 6時40分

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3日、参考消息は、台湾で人材不足が半導体産業発展の足を引っ張っているとするシンガポールメディアの報道を紹介する記事を掲載した。

2022年11月3日、参考消息は、台湾で人材不足が半導体産業発展の足を引っ張っているとするシンガポールメディアの報道を紹介する記事を掲載した。

記事はシンガポール紙・聯合早報の10月30日付報道を引用。世界の半導体産業の急発展に伴い、サプライチェーンで重要な地位にある台湾企業も続々と生産能力を拡大しているとする一方で、現地では企業の膨大なニーズに人材供給が追いつかない上、人材育成の問題まで露呈していると伝えた。

そして、新竹科学パーク管理局の陳淑珠(チェン・シュウジュウ)副局長が、現在の台湾半導体産業について人材需求バランスが著しく崩れているとし、さらにこの問題を加速させている要素として若い世代の仕事に対する考え方の変化を挙げ「若い世代はワークライフバランスを大切にする。半導体の仕事はきつく、日常的に残業があるため、今の大学生はみんなやりたがらない」と語ったことを紹介している。

また、台湾の求職サイト「104人力銀行」が発表したデータでは、9月の電子情報、ソフトウエア、半導体などの技術人材が18万9000人不足していることが明らかになっており、ますます増える求人に対して応募者が追いつかない背景として、台湾の人材育成が不十分という問題が存在すると指摘。台湾教育当局のデータによれば、大学や専門学校で科学、技術、エンジニアリング、数学のいわゆる「STEM教育」を受ける学生の数が2006年の50万6000人をピークに、19年には38万3000人まで減少しており、飲食業、観光業、デジタルアニメ、文化クリエーション産業といった新興産業に学生の興味が移っていること、そして少子化が大きな要因になっていると伝えた。

さらに、台湾大学電機情報学院の張耀文(ジャン・ヤオウェン)院長が「台湾半導体産業の人材不足の主要因は、人材を供給する教育制度に重大な問題が生じていることだ」と指摘したことを紹介。今年の台湾の大学入学許可率が98.94%と過去最高を記録し、「寝そべっていても大学に入れる」「大学の学歴がどんどん価値を失っている」という強い批判が出始めているとしたほか、大学の数が多すぎるために各大学に分配されるリソースが制限されていることも問題だとの認識を示したことを伝えている。

記事は張院長が「少子化によって人口が減り、STEM分野の学生数も減る。この状況が続けば、半導体産業は将来どこに行って人材を探せばいいのか」とし、台湾の半導体産業の未来を悲観したことを紹介した。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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