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ハーモニーOSの搭載機器が前年比2倍超の3.2億台に、急増の背景とは―ファーウェイ

Record China    2022年11月7日(月) 8時30分

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華為技術(ファーウェイ)で常務取締役や端末ビジネスグループ(端末BG)の最高経営責任者(CEO)などを務める余承東氏は4日午後、広東省東莞市内で始まった開発者会議で、同社開発のハーモニーOSを搭載したファーウェイ製機器が前年同期の2.23倍に相当する3億2000万台に達したと紹介した。同社が「ハーモニーOSコネクト」の認証を授与した製品の出荷量は同3.12倍の2億5000万台に達したという。

同社端末BGソフトウエア部の龔体総裁は、2019年発表のハーモニーOS1.0では、自社が新たに制作したコードはわずか492万行しかなかったと紹介。それまでの自社及び中国ソフトウエア業界による10年間に渡る蓄積を活用したという。

ただし、開発はその後も続き、現在までに自社で制作したコードだけで2396万行に達した。龔総裁は「われわれは一刻たりとも、休む気持ちにはなれない」と表現した。

■ハーモニーOSは米国という“曹操”に抗する孔明の策?

ハーモニーOS開発の発端は、創業者の任正非氏が12年の会議で行った問題提起だった。任氏は、ファーウェイが他者が開発したOSを使えなくなるという「糧食の道を断たれる」状態になった場合に備えて、どのようなことができるかと問いかけた。

その結果、いざという時のバックアップとしてハーモニーOSが始まった。しかし、米国の圧力により、携帯用の既存の二大OSであるアンドロイドとiOSの利用に大きな制約が生じた今となっては、ハーモニーOSが築きつつある地歩はファーウェイにとって、ちょうど三国時代に魏の曹操などに対抗するために蜀の地を確保した諸葛亮(孔明)の戦略にも似た意味を持つようになった。龔総裁は「天下を三分し、その一つを保つ」と表現し、ハーモニーOSは「世界にもう一つの優れた選択肢を与えるもの」と述べた。

インターネット部門で起業関連の投資を行う郭濤氏は中国国産のハーモニーOSについて「機能面では問題ない。良好なユーザー体験と、外部が開発するアプリが競争の鍵となった」と指摘した。ハーモニーOS搭載機器が急増したのは、マルチスクリーンやマルチシーンといった機能がすぐれているためユーザー数が増え、そのことでアプリ開発業者がハーモニーOSに関連する開発を手掛ける事例が急増するなどの現象につながったという。そしてハーモニーOSで使えるアプリが増加することは、ハーモニーOS搭載機器を求める消費者を増やし、搭載機器の出荷台数を増やすことにつながる。


■ハーモニーOS関連で「開発者殺到」の現象が発生

現在、ハーモニーOS関連の開発業者は400万、うちスマートフォンアプリの開発者は40万に達したという。これほどまでに関連開発業者が生じたことについて龔総裁は、「過去4年間にわたり、開発者の声に耳を傾けた。開発者が抱える問題を(自社側の)前進力と原動力にしようと努力した。開発者が最も注目するのは効率、性能、安全性、コストの4分野だ」と説明した。

龔総裁によると、例えばコストに関連して開発者が重視するのは、大規模アプリケーションやマルチデバイスアプリケーションの開発コストの問題などだ。開発者が抱える問題を解決するために、ハーモニーOSは関連するアプリ開発で「1度の開発で、多くの使い道が生じる」などの工夫に力を入れた。つまり開発者が個別のデバイスのために、アプリをそれぞれ開発する必要がないよう心掛けた。このことが、開発業者にとっての収益向上に結びついているという。

■時代のトレンド“IoT”への適合性がハーモニーOSの強み

また、特定の開発業者のためだけでなく、業界全体のためにオープンソースにして、ハーモニーOSを取り巻く環境を共同構築することにも努めている。

龔総裁が言う「業界」とは、携帯電話関連だけではない。各種ウェアラブルデバイスやスマートホームなど、極めて広い分野を念頭においている。ファーウェイの社是の一つが「デジタル技術ですべてのものをつなげる」だ。従ってハーモニーOSも、全てのものを対象にすることを強く意識して開発されてきた。この点が、アンドロイドやiOSと比べた場合のハーモニーOSの強みとされている。

興業証券の研究リポートはハーモニーOSについて「マルチスマート端末向けにあらゆるシーンに対応する」「その主な目的は、消費者に端末を跨ぐシームレスな体験を提供することだ。ハーモニーOSにより携帯電話、パソコン、タブレット、テレビ、自動車、スマートウェアラブルなどの機器を一つに接続し、1種のOSで一括管理することができる」と評価した。(翻訳・編集/如月隼人

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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