Record China 2022年11月11日(金) 5時0分
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9日、新京報は、電気自動車(EV)用バッテリーのリサイクル価格が高騰しており、新品より高くなる現象が発生していることを報じた。
2022年11月9日、中国メディア・新京報は、電気自動車(EV)用バッテリーのリサイクル価格が高騰しており、新品より高くなる現象が発生していることを報じた。
記事は、鉄鋼業界の情報サービス企業である上海鋼聯のデータとして、11月8日のバッテリー用炭酸リチウム価格が1トン当たり3000元(約6万円)上昇して、1トン57万9000元(約1170万円)の過去最高値を記録したと紹介。種々の要因により今後の供給状況は渋いと予測されており、今後1トン60万元(約1200万円)以上にまで価格が高騰する可能性も否定できないと伝えた。
そして、炭酸リチウムなどのバッテリー用材料価格高騰に伴い、廃棄となったEV用バッテリーの価格も急上昇しており、昨年は最低で新品価格の60%前後だった買取価格が今年は100%、さらには200%以上に達するという逆転現象が起こっているとし、中国国内のバッテリーリサイクル業界に明確な定価制度がないこと、非正規市場にてオークション形式によるリサイクルが横行していることなどから価格が一層上昇していると紹介した。
また、中国自動車工業協会の関係者が「バッテリーの原材料価格が大幅に上昇し続けているため、バッテリーリサイクル業者は廃棄になった電池を処理し、その中にある貴金属材料を売るだけで利益が出るような状況だ」と語ったことを伝えている。
使えなくなったバッテリーのリサイクル体系はなおも整備されておらず、正規のルートによるリサイクル料は多くないという。記事は、このような状況の中で、リサイクル企業が契約形式によりバッテリーメーカー、材料メーカーから廃棄品を回収してニッケル、コバルト、リチウムなどの金属を取り出し、そこから再びバッテリー用ニッケル、コバルト硫酸塩、リチウム塩を生産、バッテリーやその材料メーカーに戻すという秩序あるリサイクルの仕組みを作る動きが進んでいると紹介した。
そして、業界関係者の話として将来的にはリサイクルがニッケル、コバルト、リチウムなどの資源を供給する主要ルートの一つになるとし、2030年には低く見積もってもニッケル、コバルト、リチウムなどの資源の50%がリサイクル品になり、同年における中国のEV用バッテリーリサイクル市場規模は758億4000万元(1兆5000億円)、楽観的に見積もれば1000億元(約2兆円)を超える見込みだと伝えた。
このため、バッテリーメーカーや自動車メーカーなど新エネルギー産業関連の企業が続々と資源のリサイクルに関する戦略提携を結び始めており、10月末には新興EVメーカーの愛馳汽車が天奇股フェンやその出資企業と資源リサイクル促進の提携を、5月にはBMWが華友循環とEV用バッテリー材料のクローズドループリサイクル提携をそれぞれ結び、4月にもBYDが浙江省台州市にバッテリーリサイクルを扱う新会社を設立したと紹介。このほか、フォルクスワーゲン、日産、ホンダ、ボルボ、ルノーなどの大手自動車メーカーも動きを見せているとした。(翻訳・編集/川尻)
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