Record China 2022年11月13日(日) 21時0分
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中国は11日、新型コロナ感染症対策の一部を緩和した。一方で感染が新規感染者が急増する都市も多い。広東省広州市は感染防止のために不要不急の外出を控えるよう市民に求めている。
中国政府は11日、新型コロナウイルス感染症対策の新たな「20の措置」を発表した。隔離期間の短縮など、規制を緩和した特徴がある。同措置を受けて、中国が「ゼロコロナ」政策の堅持を断念する前触れなのかどうかの、さまざまな観測が発生している。
「20の措置」は、感染者との濃厚接触者に対して、これまで7日間だった集中隔離期間を5日間にする。自宅隔離期間は3日間で変更されなかったが、隔離期間全体で2日間短縮されたことになる。新型コロナウイルス感染者を搭乗させた航空会社への罰則は撤廃された。
「二次接触者」の特定も撤廃され、感染リスク地区の分類も従来の「高」「中」「低」から「高」と「低」の2種に簡素化して、規制措置を適用する人の数を最小限に抑えることにした。
「20の措置」が発表された後に、人民元の為替レートは7週間ぶりの高値になった。上海・深セン300指数は午後の取引で2.8%上昇し、香港ハンセン指数は7%以上上昇した。ハンセン指数の上げ幅は、1日内の反発としては今年3月以来の値だった。また、中国の旅行検索エンジン「去哪爾網」では、11日の国際便検索数が前日の3倍に急増した。
ただし中国では、中央政府が定めた政策を実行するのは地方政府である場合が多く、地方政府は「地元の実情に合致した施策」を進めるために、相当に大きな裁量が認められる場合が一般的だ。そのためSNSには「20の措置」について「どのように実施するかは、すべて地方(政府)が組める。従って楽観はできない」との書き込みも寄せられた。
中国外交部(外務省)の趙立堅報道官は11日の定例記者会見で、「20の措置」について「感染症対策の最適化を図る措置が発表されたことで越境旅行が改善され、ビジネスパーソンによる中国への投資や起業に利便性がもたらされるだろう」と述べた。ただし趙報道官は続けて「科学的かつ正確に感染症を抑止するためであり、感染症対策を緩めることでは決してない」として、中国は今後も感染症対策を徹底すると強調した。
中国各地の多くの都市では11月になってから、感染件数が急増した。そのため、より厳しい封じ込め措置が実施されるようになった都市も少なくない。発表によれば10日では、4月29日に上海市で封鎖措置が実施されて以来最多の、全国で1万0535人の本土感染が報告された。
広東省広州市では10日に2824人の新規感染が報告された。1日2000人以上の感染者発生は4日連続であり、同市11区のうち少なくとも3区では封じ込め措置が実施された。河南省鄭州市では同日、前日の約2倍の2988人の新規感染者が報告された。鄭州市での感染拡大は、アップルのスマートフォンを製造しているフォックスコン工場の生産に大きな打撃を与えた。さらに重慶市や北京市でも感染者が発生しており、さまざまな規制措置が実施された。
「20の措置」は、中国で新型コロナウイルス感染症が約3年前に発生して以来、これまでで最も大胆な規制緩和だ。ロイターはシティバンクの分析を引用し、この新たな政策は「ゼロコロナ」政策の終わりの始まりを示しており、今後数カ月間でワクチン接種の推進が加速するのに伴い、全面的な開放に向けた準備が進むとの見方を示した。
ただし多くの専門家は、中国がただちに全面的な開放に向けて進む可能性は低く、早くとも2023年3月の全国人民代表大会と政治協商会議の後になると考えているという。(翻訳・編集/如月隼人)
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