Record China 2022年11月28日(月) 8時30分
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中国国家航天局の月探査計画の総設計者を務める呉偉仁氏はこのほど、中国中央電視台の取材に応じて、中国は2028年ごろに、月基地の基本部分を完成させる予定と説明した。
中国国家航天局の月探査計画の総設計者を務める呉偉仁氏はこのほど、中国中央テレビの取材に応じて、中国は2028年ごろに、月基地の基本部分を完成させる予定と説明した。動力を供給するための原子力発電装置も設置する計画という。
中国のは探査の「嫦娥計画」を進めている。直近では2020年11月に打ち上げられた嫦娥5号が、月に軟着陸して土壌サンプルを地球に持ち帰るサンプルリターンに成功した。
呉氏によれば、月面基地の建設に投入されるのは嫦娥6、7、8号の3基だ。嫦娥6号は地球から見て月の裏側の土壌サンプル1.7キロを持ち帰る。成功すれば、人類は初めて月の裏側の土壌サンプルを入手したことになる。
嫦娥7号は月の南極部分に着陸させる。嫦娥7号は飛翔して移動しながらの探索を行う。最も重要なのは水の探査だ。月の南極部分には、内部に水が存在する洞窟が存在する可能性がある。嫦娥7号は、1カ所または2カ所の洞窟を探査する考えだ。嫦娥7号と8号は、月面基地建設に必要な機材も運ぶ。
月面基地はまず無人で組み立てて、完成してからほどなくして、人を月に送り込む。ただし、月面基地に人が常駐するのではなく、人を送り込むたびに活動拠点として使う。基地建設は月の南緯89度付近で、昼が180日程度続くので、かなり長期に渡った探査活動にも適している。
また、月面基地は中国だけでなくロシアやその他の国の月探査隊の利用にも提供して国際科学基地として利用する。
呉氏はまた、月面で利用するための原子力システムを開発中と説明した。詳細については言及しなかったが、これまでに、中国は月面で使うために1メガワット級の原子力システムを開発中と報じられたことがある。また送り込む月面車は、中国がこれまで月で使用した月面車よりもずっと大きく、人が乗ることもできるだろうという。
また、月で大電力が利用できれば、通信用に強力な電波を送信することが可能なので、中国が次に計画している火星探査では、月面基地を中継局として利用することが考えられるという。
呉氏によると、中国は今後10年から15年の間に、月面基地の建設以外にも小惑星探査、惑星探査、大型ロケットの開発の計4分野を進めていく。地球と月や火星との間で大重量の物資を輸送するために、少なくとも現有ロケットの4倍の推進力を持つロケットを開発する必要があるという。(翻訳・編集/如月隼人)
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