中国上層部が「ゼロコロナ」に別れを告げるのは苦渋の選択―独メディア

Record China    2022年12月7日(水) 11時0分

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5日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、新型コロナの厳しい感染予防規制を緩和し始めた中国について「ゼロコロナと別れるのも痛みを伴う選択だ」と報じた。写真は重慶のPCR検査。

2022年12月5日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、新型コロナの厳しい感染予防規制を緩和し始めた中国について「ゼロコロナと別れるのも痛みを伴う選択だ」と報じた。

記事は、独紙ディー・ターゲスツァイトゥングがこのほど発表した「コロナ感染と別れるのも苦痛だ」と題する文章を紹介。文章では北京市街の至る所で政府による防疫政策が変化したことが見て取れ、PCR検査スポットがすでに撤去されるとともに、一部の感染者に対し専用病院ではなく自宅での隔離が認められたと報じたことを伝えた。

また、環球時報などの中国政府系メディアがこぞってこれまでのゼロコロナ政策と、現時点での政策転換を正当化するための下地を作り始めたと指摘。「国内の研究チームの実験により、オミクロン株の発病力が大幅に低下したことが分かった」という世界的に見ればもはや「ニュースにもならないニュース」を中国の「プロパガンダマシーン」があたかも大発見のように報じており、習近平(シー・ジンピン)国家主席が主導したゼロコロナが失敗に終わったと国民に感じさせないようにしていると伝えた。

その上で、中国政府にとって規制緩和はあくまで「市民の我慢が限界に達したということが抗議デモで明らかになった」という外的な圧力による受動的な措置であるとするとともに、「これまでPCR検査スポットや専用病院建設ばかりに大量の資金を投じ、医療保健体制の拡充を後回しにしてきたことで、市民は今後数週間、一層厳しい試練に直面することになるだろう」と予測。今後感染により130〜210万人が死亡する可能性があるという英企業Airfinityのデータや、広西チワン族自治区の防疫機関が「ゼロコロナを緩和すれば、死者数200万人超、最悪の場合感染者が3億3000万人に達する」との予測を示していたことを紹介している。

さらに「各国の経験によれば、市民のワクチン接種率を高めさえすれば重症者や死者を確実に減らすことができる」とする一方で、中国では80歳以上の高齢者のブースター接種率がわずか40%に留まるなど接種率が低い上、感染拡大をある程度抑え込むことが期待されるファイザーやモデルナのmRNAワクチンを中国政府が一切認可していないことを指摘した。

記事は、感染対策関連規制の緩和について各地方政府がそれぞれ独自に政策を進めており、国全体としての計画が示されていない状況だと伝えた上で、PCR検査の数が減ることで見かけ上は中国国内の新規感染者が減ったように見えるものの、実際は措置の緩和に伴って感染者数はさらに増加するという認識を多くの専門家が持っていると伝えた。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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