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ファーウェイのクラウド事業、「専・精・特・新」型の中小企業育成する政策と合致

Record China    2022年12月16日(金) 8時0分

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中国を代表するハイテク企業のファーウェイは2019年に米国の圧力によりスマートフォンなど消費者向け商品の製造販売に支障をきたすようになって以来、産業界向けビジネスへの注力が目立つようになった。

中国を代表するハイテク企業のひとつである華為技術(ファーウェイ)は2019年に米国の圧力によりスマートフォンなど消費者向け商品の製造販売に支障をきたすようになって以来、産業界向けビジネスへの注力が目立つようになった。同社にとって重要な分野の一つが、企業などを顧客とするクラウドサービスだ。

ファーウェイは11月29日には、インターネット関連の市場調査やコンサルティングを手掛けるアイリサーチ(iReserch、本社・上海市)との連名による、「クラウドコンピューティングが中小企業の『専・精・特・新』へのアップグレードを後押ししている」と指摘するリポートを発表した。

「専・精・特・新」とは中国政府・工業および情報省が11年7月に提唱し始めた中小企業の進むべき方向を示した標語で、「専」は「業務の専門性が強く、守備範囲で強みを発揮する」、「精」は「精密な(緻密)な生産や企業管理、サービスなどにより、良質の製品やサービスを提供する」、「特」は「製品やサービスに独自色を盛り込むことで、影響力やブランド力、知名度を向上させる」で、「新」は「イノベーションを続けることで、新たな産業分野や新たな技術、新たなビジネスモデルで成果を挙げ、発展の潜在力を持ち続ける」だ。

中国政府は「専・精・特・新」を満たす中小企業の基準を設けており、さらに19年からは4回にわたり、「専・精・特・新」型の中小企業の中で特に優秀な企業を「専・精・特・新の小さな巨人」として発表してきた。第1回の発表では155社が「小さな巨人」に認定された、第2回以降は1584社、2930社、4328社と、認定された企業は急増している。

なお、中国政府が定めた基準で「中小ミニ企業」に分類される企業は、例えば工業企業の場合には、従業員数が1000人以下などとされており、日本では中小企業基本法の対象となる企業が製造業の場合の「常時使用する従業員数が300人以下」などと、日中では基準が異なる。ただし、いわゆる零細企業までを含む点では同様だ。

ファーウェイとアイリサーチが発表したリポートは、中国は中央政府と各地方政府が産業チェーンにおける中小企業の配置の最適化に力を入れていると紹介。また、ファーウェイが構築し産業向けクラウディングサービスが、公共的プラットフォームとして中小企業の要求に合致していると主張した。リポートは、中小企業向けのクラウディングサービスに求められる特徴とは、方式が明確で更新周期が短く、低コストであることと指摘。そのようなクラウディングサービスこそ「専・精・特・新」型の中小企業を育成することに役立つと論じた。

リポートはさらに、一部の中小零細企業がクラウディングサービスの有効な利用法を確立すれば、その利用法が「模範」となり、業界全体さらには他の業界全体にも浸透して、産業全体の質の向上が実現すると期待を示した。

リポートはデジタル技術を活用して「専・精・特・新」型の中小企業を増やすために克服せねばならない問題点として、技術力の不足や人材の層の薄さ、資金力の不足、さらに大企業に対して業界内の弱さを挙げた。技術力の不足については、技術関連の支援サービスなどの利用以外にも、産学提携にも取り組むべきとした。人材育成については、政府による支援策も必要と論じた。資金調達については、北京証券取引所がイノベーション型企業向けに新たな資金調達の道を開いたと指摘。そしてそれ以外にもさらに、税制や信用付与について行政側の支援策の必要性を唱えた。

中小企業の立場については、デジタル化の推進により自社の能力を向上させた上で、多くの企業との密接なつながりを必要とする企業との関係を強化し、自社が抱える問題を協力して解決していくことを訴えた。さらには、多くの企業が補完しながら生存していく「企業生態系」の構築が必要と論じた。

なお、中国各地政府はすでに、中小企業向けに支援プラットフォームを構築して、デジタル関連などの技術や人材確保の支援、株式上場支援、投融資のマッチングなどの、各種サービスを提供している。

クラウド分野でのファーウェイの中小企業向けのクラウディングサービスの大きな動きとしては、7月末に正式発表された福建省政府と提携しての「賦能クラウド」の提供がある。同省内の5000社以上のデジタル化モデルチェンジの後押しをすることが目的だ。事業内容としては人材育成の支援も行うという。

ファーウェイ中国区の副社長で、ファーウェイ・クラウド・チャイナの総裁も兼任する張修征氏は同事業の発表に際して、「産業のデジタル化が加速する流れの中で、地域の産業革新と産業チェーン生態系の強力な発展なくして地域の経済成長はあり得ない」と述べた。この「賦能クラウド」の事業では、イノベーションと融合のための1つのプラットフォーム、企業の活性化のための2つのサービス、3カ所のセンター構築の「1+2+3」の方式で中小企業やパートナーの成長を加速させ、地域のデジタル経済の発展や産業界のデジタル化の急速な進展に貢献する考えという。

7月末の発表以前の予備的な試験運用を通じて、すでに恩恵を受けている福建省企業も存在する。電気自動車(EV)関連の事業を手掛ける星雲電子の劉作斌総裁は、ファーウェイのクラウドを利用することで、大量の充電スタンドの支援、安全な充電などの問題が大いに解消したと述べた。メモリーやコンパイルの最適化などの技術が追加されているので、端末側に対する反応速度が30%向上したという。

福州東沢医療器械の周少文董事長(会長)によると、ファーウェイのクラウドは、腎疾患があり透析を必要とする患者に応用されている。患者は自宅で夜間に透析を受けられるので、昼間の仕事には影響がなく、透析のたびに通院する必要もなくなったという。(翻訳・編集/如月隼人

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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