台湾、中国の軍事的攻勢で兵役を4カ月から1年に延長、世論調査では7割が賛成

Record China    2022年12月31日(土) 5時50分

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中国による軍事的攻勢が強まっているとして、台湾は兵役の期間を2024年1月以降、4カ月から1年に延長する。世論調査では約7割が延長に賛成した。写真は蔡英文公式twitter(@iingwen)より。

中国による軍事的攻勢が強まっているとして、台湾は18歳以上の男性に義務付けられている兵役の期間を2024年1月以降、現行の4カ月から1年に延長する。蔡英文総統が12月27日に発表した。兵役延長をめぐっては民間の世論調査で約7割が賛成し、中国の脅威が共通認識になっていることをうかがわせた。

22年8月のペロシ米下院議長の台湾訪問後、中国軍の圧力は勢いを増す一方。台湾・中央通信社によると、国防部(国防省)は26日、台湾周辺の海空域で同日午前6時までの24時間に中国軍の軍用機延べ71機、軍艦延べ7隻を確認したと明らかにした。確認した中国軍用機の数としては、同部が関連の軍事動向を公表し始めた20年9月以降で最多となった。

米国バイデン大統領は現地時間23日、台湾向けに5年間で最大100億ドル(約1兆3300億円)の軍事支援を認める内容を盛り込んだ23年会計年度の国防権限法(NDAA)案に署名し、成立した。

今回の軍用機などの活動について、中国軍の東部戦区は25日、「米台が結託と挑発を高めたことへの断固とした対応だ」とした。

台湾では蒋介石総統時代の1949年、陸軍2年、空海軍3年の徴兵制が実施された。その後、90年より段階的に期間が短縮され、18年には4カ月となった。

蔡総統は「予備役の訓練を含む現在の軍事制度は非効率的で、中国の軍事的脅威の高まりに対処するには不十分であり、特に中国が台湾を急速に攻撃した場合はなおさらだ」と指摘。「世界に対し、民主主義と独裁の間でわれわれは民主主義を固く信じていると伝えたい。戦争と平和の間で、われわれは平和を主張する。国土と民主主義を守るために勇気と決意を示そう」と訴えた。

さらにロシアウクライナ侵攻にも言及。「ウクライナがはるかに大規模なロシア軍を阻止する能力を持っているために、国際社会がウクライナに必要な支援を提供する時間を稼ぐことができた」との認識を示した

台北のシンクタンクは、この延長により2027年以降、現在の16万5000人の職業軍人部隊に毎年6万~7万人の人員が追加されると試算している。

兵役延長に関して台湾の民間シンクタンク、台湾民意基金会が20日に発表した世論調査の結果によれば、73%が1年への延長に賛成した。現行の4カ月では69%が「理にかなっていない」と答えた。

どの政党を支持しているかにかかわらず、兵役の延長に多くが賛成していることも判明。賛成の割合は与党・民進党支持者で82%、最大野党・国民党支持者で75%に達した。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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