人民網日本語版 2023年1月4日(水) 14時30分
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インドの人口が4月中旬に中国を抜いて世界最多になるという国連の予測が大きな注目を集めている。写真はインドのデリー。
インドの人口が4月中旬に中国を抜いて世界最多になるという国連の予測が最近、大きな注目を集めている。中国新聞社が伝えた。
中国とインドは人口大国で、過去70年にわたり、その人口の総和が世界人口の3分の1を占めてきた。
では、インドの人口が中国を超えるのはなぜなのだろうか?南開大学経済学院の教授である、南開大学老齢社会治理戦略研究センターの原新(ユエン・シン)主任は、「主に両国の出生率の差が理由」と説明している。
報道によると、20世紀後半、インドの人口は急増の一途をたどり、増加率は年間平均2%に達した。1947年の独立後、インドの人口は10億人を超え、この先40年間にわたっても増加し続けると予測されている。
一方、中国を見ると、第7回国勢調査では、人口は14億1178万人だった。2010年の第6回国勢調査と比べると5.38%増で、増加率は年間平均0.53%にとどまっている。
インドの人口が中国を抜くことについて、原主任は「人口発展規律の結果だ。しかし、その結果を経済的ボーナスへと変換できるかは、じっくり分析してみないと分からない」との見方を示す。
■インドに人口ボーナス到来?
原主任は、「インドにとって、以下の2点がメリットと言える。まず、人口の規模がより拡大することで、ポテンシャルのある市場もさらに大きくなる点。次に、労働者数が増加し続けており、高齢化が加速しているものの、その程度は依然として低い点だ。人口の年齢構造が若いため、ヒューマンリソースをベースとした人口チャンスに踏み出す段階に進みやすい」と分析する。
ただ、「それらの潜在的メリットが、自動的にGDPへと変わるわけではなく、経済と社会面での正しい政策や施策がなければ、経済発展へと変わる結果とはならない。インドには潜在的人口メリットがあるものの、たくさんの弊害を見逃してもならない。例えば、教育の発展水準のアンバランスさや、都市化の水準が低いこと、貧富の差が激しいことなどが挙げられる」と指摘する。
上海国際問題研究院中国・南アジア合作研究センターの劉宗義(リウ・ゾンイー)秘書長は、「インドがその潜在的人口ボーナスをうまく利用し、経済成長の原動力へと変換できるかは、根本的に言うと、インド政府が効果的な経済と社会、教育面の政策を打ち出し、徹底して実行できるかにかかっている」と指摘する。
■「世界一の人口大国」の座をインドに譲ると中国はどうなるのか?
劉秘書長は、「過度に心配する必要はない。人口ボーナスは人口だけでなく、国の政策や関連する施策が、人口の入れ替わりや発展の動向に適応できるかにもかかっている。中国の人口基数は十分に大きく、人口の質、特に労働者の質をさらに効果的に向上させることができれば、科学技術の要素が経済発展において果たす役割が高まるにつれて、中国の労働人口の減少がもたらす損失は、労働者の質によってカバーされるようになるだろう」との見方を示している。
原主任は、「近い将来、世界一の人口大国の座をインドに譲っても、中国は依然として強大な優位性を持ち続ける」との見方を示す。
まず、人口が多少減ったとしても、中国は依然として人口大国であり、調整を通して国内外の市場を盛り上げ続けることができる。
次に、労働者数は減少していても、その規模は依然として巨大で、中国に人口ボーナスを開発する余地を残している。中国の高齢化は継続して深刻化しているものの、高年齢者(60~69歳)人口が高齢者の半数以上を占めており、それをチャンスに変えることができる。
3つ目に、中国は現在、ヒューマンリソース大国からヒューマン・キャピタル大国へとモデル転換している。ヒューマン・キャピタルは経済成長の強力で、持続性ある原動力だ。近年、平均寿命が伸び、健康状況が改善され、教育が急速に発展しているといった変化が、ヒューマン・キャピタル全体の向上に非常に優れた条件を作り出している。(提供/人民網日本語版・編集/KN)
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