中国農村部の感染ピークが間もなく到来、医療は対応できるのか?―独メディア

Record China    2023年1月13日(金) 8時0分

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11日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、春節の人口大移動を前に感染拡大の懸念が高まっている中国の農村部について「農村の医療は対処可能なのか」とする記事を掲載した。写真は北京の郊外。

2023年1月11日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、春節の人口大移動を前に感染拡大の懸念が高まっている中国の農村部について「農村の医療は対処可能なのか」とする記事を掲載した。

記事は、中国交通部の予測では今月7日から40日間の春節ラッシュ期間中に延べ20億人が交通機関を使って移動する見込みであり、国家衛生健康委員会の責任者が「農村は人口が多く、1人当たりの医療リソースに限りがある。いかにして農村地域の感染ピークに対処するかが非常に大きな試練となる」と述べたことを紹介した。

また、当局が発表する感染者や死亡者に関するデータが実情を全く反映していない中、爆発的感染は大都市から農村部へとすでに広がっていると指摘し、ニューヨーク・タイムズが河南省など大勢の出稼ぎ労働者の帰省する地域ではすでに感染が急速に拡大していると報じ、独週刊誌デア・シュピーゲルも河北省の農村部の状況ついて「呼吸器感染症患者が激増し、医療機関は休む間もなく対応に負われており、薬品が不足して例年の何倍もの高齢者が亡くなっている」という現地の住民や医師の話を紹介、中国のセルフメディアが伝える内容とほぼ一致していると評したことを伝えた。

さらに、中国当局のデータでは農村部に130万人の医師と180万人の看護師がいるとされるものの、人口1000人当たりの医師、看護師の数は都市部の半数にも及ばない上、医師の多くは医科大学を卒業しておらず、その資質は非常に低いと指摘。中国政府系メディアも農村で患者が激増し、病床数や医療スタッフ、医薬品の不足を報じているものの、「投薬体制は基本的に確保できている。重症者は少なく、亡くなった高齢者の多くは基礎疾患があった」などといった深刻さを紛らわすような情報を流すことにも努めていると紹介した。

その上で、英国の健康データ分析機関エアフィニティが9日に更新した、各省発表データに基づく感染予測によれば、中国でのオミクロン株感染第1波のピークは今月13日で、1日当たりの新規感染者が370万人となり、19日頃には死亡者が1日当たり2万5000人のピークを迎えると紹介。また、3月3日には第2波のピークが到来して1日当たりの感染者は420万人となり、特に農村地域のダメージが大きくなる見込み。4月末までの累計死亡者数は170万人に達する見込みだとした。

このほか、上海交通大学の研究チームも、中国の四川省、陝西省、甘粛省、青海省など中西部地域や農村地域の感染ピークが今月中下旬に到来し、春節期間の人の移動によって感染の波の持続期間と深刻度がさらに強まる恐れがあるとの予測を示していると伝えた。

記事は、国務院の対策チームが今月7日に地方の医療リソース整備や高齢者のワクチン接種加速などに関する指示を出したと紹介した上で、米外交問題評議会の公衆衛生エキスパートである黄厳忠(ホアン・イエンジョン)氏が「それは本来ゼロコロナ政策を転換する前に打ち出すべきことだった。中国の農村に存在する多くの問題は中国の医療改革に関する根本的な問題であり、短期間のうちに解決することは望めない」と指摘したことを伝えた。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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