Record China 2023年1月23日(月) 7時0分
拡大
中国の大手ポータル/情報サイトの新浪網はこのほど、中国で時速1000キロを目指す超高速鉄道の試運転が始まったと報じた。写真は試験線を走行する車両のイメージ図。
中国の大手ポータル/情報サイトの新浪網はこのほど、中国で時速1000キロを目指す超高速鉄道の試運転が始まったと報じた。
山西省大同市に建設された試験線で、3回にわたり試験走行が実施されたという。真空に近いほど気圧を下げたチューブの中で、超電導浮上式の車両を走らせる方式だ。開発に取り組んでいる中国航天科工集団によると、実験線および車両には超電導磁石、高出力電力システム、人工知能(AI)安全制御装置、無線通信設備、センサーなどが組み込まれており、これらの重要部品が安定して作動したことで、より高速の実験に道が切り開かれたという。
関連技術の開発にあたっては、チューブ内の低気圧環境を維持することが最大の課題の一つという。現在のところ、営業運転速度が最も速い高速列車の時速は350キロだが、速度を上げると空気抵抗がどうしても大きくなる。列車は車輪を回転させて駆動力を得ているが、空気抵抗が限界以上に大きくなると、車輪が空回りしてしまい、それ以上に大きな駆動力を得ることができなくなる。
「気圧を大幅に下げたチューブ内で、超電導浮上式の車両を走らせることで、従来とは比べ物にならない高速を得る」という発想については、すでに取り組みの前例がある。スペースXの創業者であるイーロン・マスク氏は2012年に、「陸上交通の速度を限界までに高める」との構想を打ち出して、その後、実現のためにザ・ボーリング・カンパニー(TBC)という会社を設立した。
バージン・グループの会長であり宇宙関連技術の開発に取り組むヴァージン・ギャラクティックの創業者でもあるリチャード・ブランソン氏も超高速鉄道の開発競争に参戦した。ブランソン氏は同様の方式で超高速列車を実現するためにハイループ・ワンと名づけた会社を設立した。同社は20年に、世界初の同方式による高速輸送システムの有人実験を実施した。最高時速は172キロに達した。
しかしこれらの取り組みは資金面の問題と技術上の課題に直面した。ハイループ・ワンは22年になり、100人以上の従業員を解雇した。また、有人運行は断念したとも報じられている。TBCは22年に実験用のチューブを撤去した。跡地はスペースX従業員用の駐車場になった。
中国の取り組みはこれらの事例より遅れ、中国航天科工集団は22年4月になりようやく、大同市で実験線の建設に着手した。しかしプロジェクトチームは着工から1年以内に、試験走行を開始した。
地元政府によると、試験線のチューブの長さは現在のところ2キロだが、数年内に60キロにまで延長され、最高時速1000キロを達成する見通しという。(翻訳・編集/如月隼人)
この記事のコメントを見る
日本僑報社
2023/1/22
Record China
2023/1/21
Record Korea
2023/1/20
ピックアップ
we`re
RecordChina
お問い合わせ
Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら
業務提携
Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら
この記事のコメントを見る