Record China 2023年2月1日(水) 11時0分
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30日、香港01は、4月1日付で豊田章男現社長が退任する人事を公表したトヨタ自動車について分析した。
2023年1月30日、香港メディアの香港01は、豊田章男社長が4月1日付で退任する人事を発表したトヨタ自動車の今後について分析する記事を公開した。
記事は初めに今回のトヨタ自動車の社長交代人事について「4月1日付で現社長で創業者一族出身の豊田章男氏は代表権を持つ会長に、53歳の佐藤恒治執行役員が社長を引き継ぐことになった。佐藤氏はエンジニア出身で、現在レクサスインターナショナルおよびGAZOOレーシングカンパニーのトップを務めている。66歳の豊田氏は公式YouTubeチャンネル『トヨタイムズ』でのオンライン会見で『私は古い人間。どこまでいってもクルマ屋。クルマ屋を超えられない。それが私の限界』と述べた。13年にわたってトヨタ自動車社長を務めてきた豊田氏は、会社の将来を見据え、近年同社上層部の世代交代を望んでいた」と説明した。
次に、豊田社長在任期間中のトヨタ自動車関連の出来事について「2009年の社長就任後、豊田氏が直面した苦難は少なくない。就任当時は08年秋の米リーマン・ショックの影響で71年ぶりに営業赤字に転落していた。翌年には米国でアクセルペダルの不具合に伴う一連の大規模リコール(回収・無償修理)問題が起こり、豊田氏自らが米下院公聴会で証言に立つことになった。11年には東日本大震災で、生産体制の立て直しに追われた。これらの荒波を乗り越えた豊田氏の下で、トヨタ自動車は輝かしい時代を迎えた。20年には新車販売台数で独フォルクスワーゲンを抜いて世界一となった。21年には米国での自動車販売台数で米ゼネラルモーターズ(GM)を抜いて首位になった。22年3月期の決算では、営業利益が前期比36%増の約2兆9900億円、純利益が前期比27%増の約2兆8500億円になった。30日に発表された最新のデータによると、22年にトヨタは1050万台を販売し、3年連続で世界一になった」と説明した
一方で、「しかし、これらの輝かしい業績を根拠に、同社の経営が全て思い通りになっていたとは言い切れない」とし、「トヨタ自動車は電気自動車(EV)の開発、生産競争では優勢に立っているとは言えない。テスラ社や比亜迪(BYD)などの企業に欧州や東南アジアの市場を奪われており、企業戦略の転換という巨大な試練に直面している」と指摘した。
さらに記事は「EVをめぐって、トヨタ自動車は豊田社長の下で、ハイブリッド車(HV)とEVのコア技術が同じで、ハイブリッド車の開発がEV発展の助けになる事を根拠に、ハイブリッド車にガソリン車、水素自動車も含めた『全方位戦略』を進めてきた。これにより、豊田氏やトヨタ自動車は、HVとEVの間で日和見をしている印象を持たれただけでなく、『EV反対派』のように誤解されてしまった」と説明。「HVからEVへ転換する時代のスピードは、豊田氏が考えるよりも早かったようだ。21年7月にEUは、35年にガソリン車などの内燃機関車の販売を事実上禁止することで合意した。その中にはHVも含まれている」とした。
また、「22年にトヨタが販売した1050万台のうち、EVは前年比5%増の270万台だったが、その大部分(260万台)はハイブリッドモデルで、完全EVは事実上『bZ4X』1種類しかなく、さらに『bZ4X』は昨年の発売開始直後に車輪が脱落する不具合を起こし、一度生産を停止したことがある。海外投資家や環境団体からは、日本の自動車メーカーの対応の遅さを批判する声もあり、トヨタに対してはEV化の流れを遅らせているとの意見もあるが、トヨタを中心とする日本の自動車メーカーは政府にプレッシャーをかけて、昨年7月に閣議決定した経済・財政運営の指針『骨太の方針』の中の一つである『35年までに新車販売を電動車100%とする目標等に向けて』の『電動車』にHVも含むよう修正させるなど、あくまでも立場を死守するようだ」と続けた上で、専門家が「トヨタは当面の間、販売台数でトップを維持する可能性が高いが、中国の比亜迪(BYD)のようにEVだけを製造するメーカーなら、豊富な経験と強いブランド力を持っているため、将来トヨタに真の脅威をもたらすだろう」と分析していると紹介。「一挙手一投足が日本経済に大きく影響する自動車産業の行き先は、日本国内で大きな議論を引き起こしている」と伝えた。
記事は最後に「豊田章男氏は『HV生産の防衛戦争』に勝利をおさめたばかりで社長を退任し、世間を驚かせた。おそらくトヨタ自動車や関連企業が事業戦略の転換を図り、HVの売上や業績を維持すると同時にEVの開発と生産を促進する時間を稼ぐためだろう。トヨタがEVの分野で大きく出遅れている状況下で、佐藤恒治新社長は非常に困難な挑戦に直面することになる」と述べた。(翻訳・編集/原邦之)
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