中国上海市にある人民公園は、子どもに代わって親同士が婚活する「お見合いコーナー」があることで知られる公園だ。海外在住中国人向け情報サイトの文学城に14日掲載された記事は、こうした光景がカナダの中国系市民の間でも繰り広げられていることを伝えている。

記事によると、お見合いコーナーができたのはバンクーバーに隣接するバーナビーにある公園。そこでは中国語を話す中高年者が子どもの写真を見せ合ったり、子どもの年齢や卒業校、勤務先を尋ね合ったりする姿が見られ、11日には20～30人が集まった。

このコーナーについて、組織者のテリー・ワン氏は「この数カ月間、ますます人気が高まっていて、カップル誕生の成功率も高い」と紹介し、夏になれば100人以上集まるはずとコメントした。過去には、頻繁に足を運んでいた人がある日突然姿を見せなくなり、その後、結婚式に招待されたこともあったそうだ。

ワン氏によると、コーナーができるきっかけとなったのは、300人余りの中国系移民で構成されているネット上のグループ。自身や子どものパートナーを見つけることを目的としたもので、ワン氏は「中国系の家庭は親も子どもも自分の社交範囲が狭いと思い、意気投合できる多くの人と出会いたいと願っている。このコーナーは『橋』となる存在だ」と指摘する。

一方、カナダにこうしたお見合いコーナーが登場したことについて、現地のブリティッシュコロンビア大学のユエ・チエン准教授は「驚いていない」と話し、「個性を重視する欧米文化に比べ、中国やアジア系文化はより『家庭が中心』だ。こうした環境の下、結婚するかどうかは子どもだけでなく親の問題でもある」と説明した。

チエン准教授はまた、「親は時には一歩退くべきだ」と話し、自分の考えを子どもに押し付けるのではなく子どもの決定を尊重する必要があると指摘したという。（翻訳・編集/野谷）

Central Park in Burnaby, has become a matchmaking corner for parents, replicating a phenomenon seen in some cities in China. https://t.co/yUKAsUJE4u

— CBC British Columbia (@cbcnewsbc) February 14, 2023