欧米の大手資産運用会社が中国資産を敬遠、台湾海峡など地政学的リスク懸念―海外メディア

Record China    2023年3月5日(日) 8時0分

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欧米などの大手資産運用会社が中国資産を敬遠し、収益をあえて見逃しつつある。目先のリターンの妙味よりも、台湾海峡での軍事衝突のリスクが高まるなどの地政学的な懸念が大きいからだ。写真は上海。

欧米などの多くの大手資産運用会社が中国資産を敬遠し、「ポスト・コロナ」の株高で得られる収益をあえて見逃しつつある、とロイター通信が報じた。目先のリターンの妙味よりも、台湾海峡で米国と軍事衝突するリスクが高まるなどの地政学的な懸念が大きいからだ。

ロイター通信によると、香港株の指標となるハンセン指数は1月末までの3カ月間で50%上昇したものの、外国人の資金流入は鈍化。ブローカーの分析結果に基づくと、こうした株高の大部分は、手早く稼ごうとするヘッジファンドの仕掛けが原動力とみられる。

もっと長い目で考える投資家にとっては、米中の競合関係が強まる中で、ウクライナにおける戦争や中国が習近平国家主席の権力基盤のさらなる強化を進めているという要素が中国投資を考え直す誘因となっている。

何人かの投資家は台湾海峡で米中が軍事衝突する危険が高まっていると警告する。別の投資家は「ウクライナの戦争で外交関係や貿易面での結び付きが強固となり、中国と西側は互いにますます反対の立場に位置するようになった」と説明する。これらすべての材料が中国に資金を振り向ける上で新たなリスクをもたらしている格好だ。

富裕層や財団などの資産95億ドル(約1兆2800億円)を運用するベル・エアー・インベストメント・アドバイザーズのパートナー、ケビン・フィリップ氏は「米国投資家としては敵対陣営の政府が経済を発展させるのを後押ししているのではないか、と考える必要がある。そのような懸念を持つかもしれないわれわれの投資家にとっては、中国以外に数多くの機会が存在する」と語った。

月次データを見ると、中国株ファンドへの資金流入額は昨年12月に154億ドルと8カ月ぶりの高水準を記録したが、今年1月には43億ドルまで縮小した。1月は640億元(約1兆2800億円)だった株式相互接続制度経由の外国人による中国本土株の買い越し額も2月は約200億元にとどまっている。

ゴールドマン・サックスのアナリストチームは、米国と中東における投資家との会合を踏まえたノートで「長期資金の運用担当者は中国に新規資金を投じるのを幾分ためらっている」と記し、その理由として米中の地政学的環境の不確実性を挙げた。

ロイター通信は「中国本土株の代表的指標となる上海総合指数は昨年10月終盤から今年1月終盤までに15%上がっており、投資していれば得られるリターンは大きい」と指摘。「それにもかかわらず、投資家が消極的になっている事実がより根深い問題を提起している」との見方を示した。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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