論文数に見る日中の科学研究環境の変化―華字メディア

Record China    2023年3月11日(土) 6時0分

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8日、日本華僑報網は、「論文数の数から見る、日中両国の科学研究環境の変化」と題した文章を掲載した。

2023年3月8日、華字メディアの日本華僑報網は、「論文数の数から見る、日中両国の科学研究環境の変化」と題した文章を掲載した。

文章は、文部科学省が昨年8月に発表した「科学技術指標2022」で、日本が注目度の高い(論文に引用された回数が各分野で上位10%に入る)科学論文数ランキングで12位となり、4〜5位だったピーク時に比べて高注目度論文数が約20%減少していることが明らかになったと紹介。一方で中国では質の高い論文が増え続けており、22年9月における中国の高注目度論文が世界に占める割合が41.7%と世界一になったことが中国科学技術情報研究所のデータによって分かったと伝えた。

そして、優秀な論文の数や論文の質はその国の研究レベルを表すとともに、国による科学技術への支援ぶり、人材育成の取り組み具合を映し出していると指摘。それゆえに、日中両国の論文数を比較した一部の評論家からは「中国の科学研究力はすでに日本をはるかにしのいでいる」との見方も出ているとした。

その上で、政府が00年より科学研究への経費投入を強化し始めて以降年間平均18%ものペースで研究支援支出を増やし続け、十分な支援の下で研究者たちが研究や実験に没頭し、優れた論文を国際学術誌に次々掲載している中国に対し、日本は経済の低迷もあって科学研究分野の資金投入を減らさざるを得ない状況にあると指摘。04年以降、大学に支給される研究資金は毎年1%ずつ減少しているほか、研究員の削減も続いており、日本の研究能力は顕著に低下したと伝えた。また、若手研究者の待遇や研究環境も悪化しており、博士号取得者の減少、研究活動への従事を望む若者の減少も招いていると論じた。

文章は、日中両国がともに「科学技術の発展を国の発展のエンジンにする」という方針を打ち出す一方で、科学研究を取り巻く環境に大きな差があるために中国では自国の優秀な研究者に加え海外からも優れた人材が流入しているのに対し、日本では人材がどんどん流出し、中国に渡って自ら望む研究を続けることを選択する人さえいると指摘。日本では基礎的な学術体系が充実しており、半導体など一部分野ではなおも中国を大きく上回る研究力、技術力を持っているとし、逆に中国が「科学技術大国」から「科学技術強国」へと進化するには時間的な蓄積が必要だとしつつも「このまま中国が科学研究分野の資金サポートを続けていけば、近い将来に中国の研究レベルが全面的に日本を超えることが予測できる」とした。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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