Record China 2023年3月11日(土) 21時30分
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台湾メディアの聯合新聞網は、WBCの日本-中国戦での中国チームの戦いぶりを高く評価し、台湾野球は今後、大陸側に差を縮められ、さらには追い抜かれる可能性があるとして、強い警戒感を示す記事を発表した。
台湾メディアの聯合新聞網は11日付で、東京ドームで9日に行われた野球のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本-中国戦での中国チームの戦いぶりを高く評価し、台湾野球は現在のところ実力で大陸側に大きな差をつけているが、今後は差を縮められ、さらには追い抜かれる可能性があるとして、強い警戒感を示す記事を発表した。以下は、その要旨だ。
大陸チームは結果として敗北した。試合内容を見ると、投手は制球が悪く16四球を与えた。しかし、大陸チームは失点の危機を迎えても日本チームに得点を許さないシーンを繰り返した。打撃陣は我慢強い選球で、日本側投手に体力を消耗させた。打線はまとまっていた。
大陸チームは9日の試合で、もはやかつての「素人集団」ではなく、日本チームに苦戦を強いることができるチームに生まれ変わったことを世界に示した。
大陸部で野球は人気のあるスポーツではない。というのは、野球は人気を盛り上げようとしても「敷居が高い」スポーツだからだ。まず実力を高めようとしても、技術面で多くの課題がのしかかる。グラウンドの維持費は高額だ。また大陸部では野球の歴史が浅いので、慣れない大衆はバスケットボールやサッカーなどのようには熱狂してくれない。しかし、米国の野球メジャーリーグは最近になり、中国大陸市場の開発に力を入れている。例えば、さまざまな学校を対象に野球キャンプを行っている。さらには米国式のトレーニング方法を導入した野球発展センターも開設した。このセンターは現在までに、メジャーリーグと契約する選手11人を出している。
中華プロ野球(台湾プロ野球)と比べて、大陸のプロ野球リーグはまだ弱体だ。しかし大陸側は野球の実力を高めるために、高額の報酬で外国人監督を招き、選手を鍛えてもらっている。台湾野球の名選手で監督としても大きな実績のある呂文生や陳瑞振も、大陸側に招かれたことがある。
今回のWBCに出場した中国チームの監督は米国人で、選手らは米国式のトレーニングを受けた。そのことで、選手は流れるような守備と相手投手に常に襲い掛かる打撃力を獲得して、日本チームに圧力をかけつづけた。
台湾プロ野球の台鋼ホークスの洪一中監督は、「(台湾海峡)両岸の野球の実力には、依然として大きな差がある。しかし、大陸側には資金と市場がある。もし、発展させることを望むならば、将来には台湾プロ野球の多くの選手が大陸側に行くことになり、両岸の実力差が縮まることになるだろう」と述べた。
この懸念には、根拠がある。過去には台湾のバスケットボールが同様の構図で没落したことがあるからだ。台湾側は厳戒せねばならない。台湾プロ野球には問題がある。例えば外国人投手への過度な依存と、その結果としての台湾人投手の実力低下などだ。
2009年のWBCの東京ラウンド敗者復活1回戦では、台湾が中国大陸チームに1対4で敗北した。台湾人選手の実力向上や、他国のプロチームとの長期にわたる試合などを実現せねば、「2009年の悪夢」が再現され、さらにはそれが常態化することになる。(翻訳・編集/如月隼人)
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