住宅価格の低下後、家賃が依然高騰しているのはなぜ?―中国

Record China    2014年7月14日(月) 8時43分

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10日、中国では住宅価格の低下後、家賃が依然高騰している。写真は北京。

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2014年7月10日、7月は大学の新卒者による住宅賃貸のピーク期で、社会人にとっては契約更新のピーク期でもある。昨年より友人と北京師範大学付近で2DKをシェアリングしている余さんは、「不動産市場は不景気なので、大家が家賃を引き上げる可能性は低いだろう」と落ち着いていた。しかし契約更新の時期になると、大家は家賃を昨年の月4400元(約7万2000円)から4800元(約7万8600円)に引き上げ、相談には応じないと言い放った。北京日報が伝えた。

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これは珍しいケースではない。北京の約10カ所を調査したところ、各地の住宅価格は1年前のような「1ランク上」の価格にはなっていなかったが、周囲の下宿人にこの「利益」は及んでおらず、契約更新で家賃が200〜400元(約3300〜6600円)上乗せされた。その原因は何だろうか?

ある人は「2012年7月に卒業すると、2人のルームメイトと3DKに引っ越した。家賃は最初から割高だった。賃貸時は毎月5800元(約9万5000円)と取り決めていたが、昨年は6000元(約9万8000円)に引き上げられた。今年7月になって、大家に再び値上げ交渉をもちかけられ、『あなたとは上手くいっているから、6200元(約10万1500円)で手を打とう』と言われた」と不満を漏らした。家賃の続騰は不可解だったが、友人と話をすると、彼らが家賃に費やすお金も同じように毎年増加していることが分かった。

不動産仲介業者は「賃貸を求める人が多くなっているが、当店の価格を見せると、住宅価格が低下したのに家賃がなぜ高いのかと聞かれる。しかし住宅市場の冷え込みは今年2〜3月からのことで、当店の物件は昨年同期もこの価格だった」と述べた。

北京の不動産仲介業者のデータを見ると、2013年7月から今年2〜3月まで住宅価格が高騰し、その後低下に向かったが、現在の住宅価格は昨年7月とほぼ同水準となっている。つまり住宅市場はここ数カ月冷え込みを見せているが、1年間というスパンで見ると、住宅価格はほぼ横ばいとなっている。これにより住宅価格と密接に関わる家賃が、低下の原動力を失っている。

賃貸者の多くが不満を漏らしているが、最終的な家賃が経済的な許容範囲を上回らなければ、短い交渉を踏まえた上で新たに設定された家賃を受け入れている。引っ越す場合、さらに仲介手数料がかかる。

北京市社会科学院経済研究所の丁軍(ディン・ジュン)副研究員は、「契約更新で家賃が上がるのには大環境の影響があり、また賃貸市場の参与者間の役割の関係からも影響を受けている。家賃の上昇と低下は短期間内の住宅価格の変動と高い関連性を持たない。今年第1四半期より住宅市場が冷え込んでいるが、契約期間の1年間という長いスパンで見るならば、住宅価格は下落しておらず、家賃が下がることもない。賃貸の乙、つまり下宿人にとって、引っ越しは時間と労力を費やし、また潜在的なリスクもあるため、選択の際に慎重になっている。第3者である仲介業者は賃貸に過度に介入しており、少額の家賃上昇分と仲介手数料の相殺が生じ、下宿人が引っ越しを避けるようになっている」と分析した。(提供/人民網日本語版・翻訳/YF・編集/TF)

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