フライメディア 2023年3月14日(火) 12時40分
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香港政府は1日にマスク着用義務を撤廃した。写真は値下げが始まったマスク。
香港政府は2月28日、翌日の3月1日からマスク着用義務を撤廃すると発表した。これにより、香港では公共交通機関の車内のみならず、屋内や屋外の全ての場所においてマスク着用の義務が解除された。
お隣のマカオでは一足先の2月27日からマスク着用義務を部分的に解除し始めていた。香港ではマスクに関する規制変更の前触れがなかったため、突然の撤廃アナウンスに市民は驚きを隠せない状態だったが、同時にSNSなどでは大喜びする市民の声が溢れかえった。
それもそのはず、香港は世界で最も厳しいコロナ規制が施行されていた場所の一つと言われており、公共の場での集会人数の制限やレストランでの着席人数制限に加え、マスクについても厳しい着用義務が施行されていた。マスク着用が義務化されたのは2020年7月で、以来945日もの間、市民はひとたび自宅を出るとマスクを常に着用するという状態だった。違反者には最高5000香港ドル(約8万5000円)の罰金の支払いが命じられていた。
そのような経緯で1日を迎えたが、前日の喜びの声とは打って変わり、香港では今なお多くの人が自発的にマスク着用を続けている。特に、混み合う公共交通機関への乗車時は、筆者の目視で8割以上にも上る人がマスクを着用している。
その理由は、人の移動が多くなり香港の街中や公共交通機関が非常に混雑していること、945日もの間マスクをしていたため急に外すのはまだ安心できないという思いを持つ人がいることなど、多くの人がもう少し様子を見たいと感じているようだ。また、マスク解除はまだ先だと思っていた市民も多く、自宅に大量のマスクのストックがあることも関係しているのかもしれない。
マスクのストックといえば、コロナ感染が始まった当初、香港でマスクや消毒液が入手困難な時期に多くの香港製造のマスク会社が設立された。香港製造のマスクは機能面や安全面はもちろんのこと、カラフルで季節やイベントごとに出てくる時期的なものまでさまざまなデザインがあり、多くの市民に受け入れられてきた。実際この3年で街中には多くの香港製造のマスク専門店が出現している。
ただ、着用義務の解除と共に、現在はまだマスク着用を続けている人がいるとはいえ、市民が今後新たにマスクを購入する機会は格段に減るだろう。そのため、今後数カ月の間に多くのマスク製造会社が閉鎖するであろうことはたやすく想像でき、実際に各方面でうわさされ始めている。
街を歩いてみたところ、現時点ではまだマスク専門店は多く存在しているが、店頭でのマスクの大幅値下げが始まっているようだ。マスク着用の義務化が終わるのはうれしいことではあるが、市民を助けてくれた香港製造のマスクが消えていくことに若干寂しさを感じるのは筆者だけではないはずだ。
機能的でデザインも豊富な香港製造のマスクファンの方は、豊富に選ぶことができる今のうちにぜひ入手してみてはどうだろうか。そして事実上コロナ終息を迎えることとなった香港は、この1、2年の間に経済と世界的国際金融都市としての大幅な回復が期待されている。(提供/フライメディア)
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