Record Korea 2023年3月17日(金) 17時0分
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米シリコンバレー銀行の破綻をめぐり、韓国紙は流動性危機説が流れてから短時間で破綻に追い込まれたことなどに注目。「韓国にとっても他人事ではない」と警鐘を鳴らした。
総資産が2090億ドル(約28兆円)あった米国内資産順位16位の米シリコンバレー銀行(SVB)の破綻を複数の韓国紙が取り上げた。この中では流動性危機説が流れてから短時間で破綻に追い込まれたことなどに注目。「韓国にとっても他人事ではない」と筆をそろえて警鐘を鳴らした。
朝鮮日報によると、SVBが18億ドル(約2400億円)の損失を出したと発表するや、それがスマートフォンのメッセンジャーを通じてシリコンバレーに一瞬で伝わり、預金者がスマホで資金を引き出したため、1日で55兆ウォン(約5兆6000億円)が流出した。結局、SVBは流動性不足と支払い不能の状態となり、金融当局が翌日閉鎖を決めた。
銀行は顧客の預金引き出しに備え、現金を支払準備金として一定比率保有する。普段はその程度の現金でも十分だが、「信用危機」に直面すると、不安になった顧客が一気に預金を引き出す取り付け騒ぎが発生する。そうなれば、健全な金融機関もあっという間に破綻の危機に追い込まれる。
預金者が銀行窓口に直接行き、銀行の営業時間に預金を引き出さなければならなかった時代には、預金の一斉引き出しにも数日または数週間がかかった。今は預金者がスマホですぐに資金を引き出してしまう。取り付け騒ぎを英語で「バンクラン」と言うが、今回のような事態は「静かなバンクラン」「デジタルバンクラン」と呼ばれる。
朝鮮日報は社説で「ソーシャルメディアでうわさや不安感が急速に広がり、『スマホバンクラン』で銀行があっという間に破綻する時代になった」と指摘。「伝統的な預金保護装置を無力化する可能性がある。スマホバンクランは特定金融機関にとどまらず、瞬く間に広がり、金融危機に発展する爆発力も大きい。過去最大の取り付け騒ぎが最短時間で発生した。金融市場の不安定性が高まる今、韓国の金融当局も警戒心を持つべきだ」と訴えた。
中央日報は社説で破綻の背景について「振り返ればコロナ禍当時に超低金利で投資があふれ、IT業界の好況が続く渦中に政府の支援金ばらまきなどで市中に資金がとても多く放出され、預金が怒涛(どとう)のように流れ込んだのがSVBに毒になった」と解説した。
その上で「米連邦準備制度理事会(FRB)の急激な金利引き上げとテック産業不況が重なって問題が膨らんだ」と言及。「主要顧客であるベンチャーキャピタルとテック企業が預金を引き出し始め、SVBは国債を売らなければならなかったが、利上げにより債券価格が急落し損失が雪だるま式に増えた」として、韓国当局に金融市場の動揺に備えるよう注意を促した。(編集/日向)
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