人民網日本語版 2023年3月17日(金) 12時30分
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米3銀行の破綻の直接的な導火線となったのはいずれも取り付け騒ぎで、それと同時に米連邦準備制度理事会による利上げという大きな環境とも関連がある。
米国ではシリコンバレー銀行が破綻してから2日後、今度はニューヨーク州に拠点を置くシグネチャー銀行も金融当局に閉鎖され、経営破綻した。それより前の8日にも、仮想通貨(暗号資産)分野に強かったシルバーゲート・キャピタルが事業を閉鎖すると発表した。
3銀行の破綻の直接的な導火線となったのはいずれも取り付け騒ぎで、それと同時に米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げという大きな環境とも関連がある。
相次ぐ銀行の破綻に対し、米政府は介入を決めているが、預金者の預金は全額保護するが機関投資家は保護しないと態度を明確にしている。清華大学経済管理学院副院長を務める金融学部の何平(ホー・ピン)学部長は、「これは米金融当局の従来のやり方だ。金融機関が『大きすぎてつぶせない』というのはだめだとしている。そんなことをすれば金融機関のモラルハザードを助長するからだという」と述べた。
米政府の救済は当面の問題の解決につながるのだろうか。国際通貨基金(IMF)の趙月書(ジャオ・ユエシュウ)アナリストは、「債券と政府が保証する不動産担保証券(MBS)を見ると、市場での取引価格が額面金額を下回るが、期日が来れば額面金額で買い戻しされる。そのため、政府は額面金額で担保の価値を決め、全ての預金者が資金を獲得できるようにするこうした緊急措置はパニック心理をある程度抑えるが、米国内の中小銀行にとってはやはり大きな信用危機になる」と述べた。
何氏によれば、米政府のやり方は米国の銀行システムが直面する実際の問題、つまりバランスシートのアンバランスという問題を解決しない。そのため市場の信用危機は今後も解消されない可能性がある。米国のこれまでのやり方では金融機関自体を救済することはないが、シリコンバレー銀行の破綻を踏まえると、FRBの利上げは責任を免れないだろう。米政府の現在の救済措置は十分ではなく、シリコンバレー銀行を救済することを考えなければならないという。
今回の危機は世界に波及するだろうか。これについて、趙氏は「現在の状況から考えて、欧州の銀行が抱えるリスクは小さい。これは欧州の銀行の資産配置で国債の割合が低く、長期的リスクを回避する措置を取っているためだ」との見方を示した。
専門家は中国への影響について、「現在の様子を見ると、シリコンバレー銀行の破綻が中国金融市場に与える打撃は非常に限定的なものだ」と分析した。(提供/人民網日本語版・編集/KS)
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